新潮社のとんぼの本が30周年を迎えました。
本に冠されている「とんぼのマーク」を30周年に合わせ、一新する事となり、
光栄にもあたらしいマークのデザインをさせていただきました。
このシリーズ8月刊の「神のごときミケランジェロ」池上英洋/著 より新しいマークが採用されてます。
そして、早くも本日発売の新刊、橋本麻里/著『変り兜』と、入江敦彦/著『英国のOFF』が本屋さんに並んでいます。
とんぼの本シリーズは私も学生の頃から親しみ、書棚の風景としてすっかり馴染んでいます。惜しくも絶版になったものも含めどれも面白いのですが、最近のとんぼの本はますますどれも素晴らしくかっこいい内容です。
そんなとんぼの本について、編集部の菅野康晴さんが書かれていますのでここに引用します。
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とんぼの本は、美術、生活、歴史、旅などをテーマとするヴィジュアルの入門書、
案内書のシリーズです。創刊は1983年。まず10月に『やきもの鑑定入門』『竹
久夢二写真館「女」』『K2に挑む』、つづいて11月に『やさしい仏像の見方』
『松本清張カメラ紀行』を刊行しました。そのうち「やきもの」と「仏像」はい
まも版をかさねています(累計部数の上位2冊でもあります。ほかの3冊はざんね
んながら絶版ですが、こうして見るとなかなかとんがっていましたね)。創刊以
来30年間で347冊の本を作り、176冊の版が生きています(2013年10月現在)。
シリーズ名の由来を訊かれると「とんぼのように視野を広くもちたい、という思
いから」(と聞いています)とこたえています。とんぼは前にしか進まないこと
から「決して退かない虫」すなわち「勝虫」とよばれて、戦国武将の「変り兜」
の意匠にも使われました。縁起のよい名でよかったと思いますが、本を作ること
は勝ち負けではないので、いまは秋の空を飛びまわるとんぼのあの身軽さ、自由
さを心がけようと思っています。
じつは30周年を機に、とんぼの本のシンボルマークを新しくしました。作者は画
家のnakabanさん。〈何年経っても見飽きないとんぼがいいな〉。nakabanさん
はマークを考えるにあたって、西洋中世のロマネスク美術をヒントにしたそうで
す。〈素朴で力強く、タイムレスなかたち。神秘的で人なつこい〉──とんぼの
本も、そんな本でありたいと願っています。
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これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
(とんぼの本編集部/菅野康晴)
(引用ここ迄)
そして、全国の本屋さんでとんぼの本のフェアがあるそうです。
新潮社のフェアのページにリンクします。
お近くの本屋さんをチェック。
このフェアで配られる冊子に、珍しくも私の描下ろし漫画「とんぼのマークができるまで」が掲載されています。
ぜひ本屋さんで手に取ってみてください。
(また27日発売の新潮社の雑誌「波 10月号」にもこの冊子が挟み込まれる予定です)
たったひと見開きですが、この漫画を読めば旅に出たくなり、また金沢百枝さんや中村好文さんが「とんぼの本」で著されているロマネスク美術の本が読みたくなる筈です。
さらに嬉しいおまけ、フェアのバナーにも漫画の絵を使ってくださっています。
久里洋二さんの30年活躍先代とんぼが頭にとまっております。