岩波書店刊「水俣から福島へ 公害の経験を共有する」カバーの絵を描かせて頂きました。ふたたび点描です。著者は小児科医の山田真先生です。
原稿を読ませていただき、山田先生の活動を知らなかった自分を恥じました。
山田先生は40年以上前から被害者の立場から森永ヒ素ミルク事件や水俣病の問題に関わられています。また広島、長崎の原爆やビキニの水爆実験にも詳しく、当時の国や企業の対応についても知り尽くしておられます。それらがどういう結果をもたらしたかというと経済的な理由や政治的な配慮を優先し被害者が切り捨てられたこと、またそれどころか時には医学的なモルモットにされたということです。その実例をひとつひとつ挙げながら、2011年の福島の原発事故での国や東電、またマスメディアでの対応もまた過去と全く同じ構図の繰り返しであると書かれていて、そこにとても説得力があります。
国や企業は組織であり、人ではないので個人の命や幸せなど優先しないとはわかっているつもりですがここまではっきりと被害者が切り捨てられていると知るとやはりショックを感じます。
原発事故の被害は今も進行中なので、読むのがつらいところもあるのですが、でもページを捲らないわけにはいかず、もうこの手の嘘に騙され、振り回されたくないという気持ちになります。
(それでも騙されてしまうのでしょうが)
文章自体はやさしい言葉で書かれているので読みやすいです。
もう少し話題になってもいい本ではないかと思います。