3/22/2024

22. Mars



「文藝春秋」4月号の目次の絵を担当させていただいた。
駅に行き交う人々の絵を絵巻風の細長い構図で描いた。

わたしは駅の構内のカフェに入って、人々を眺めるのが好きだ。
いつも不思議な気分になる。
なぜみんな行ったり来たりしているのか。わたしも含め。

さて、この号はコロナワクチン被害検証の記事が載っていて、話題になっている。
ちょっと前までは絶対NGであったこういう記事も紙媒体に載るようになり、社会のフェーズが遷り変わっていく。

こうした情報戦のようなものはメディアの誕生以来ずっと続いており、その戦時をどう生きるかだが、あえて多重人格者になって、社会から距離を置く自分を育てるのも一興ではないだろうか?
カフェから人々の往来を眺めるような感じ。
あれこれ解釈するのではなく、ただ眺めるのがいいのかもしれない。




3/19/2024

「ネズネズのおえかき」

 


絵本「ネズネズのおえかき」が新装版で復刊。(ぶんけい=文溪堂刊)

とても可愛い一冊に仕立てていただいた。デザインは佐野裕哉さんの手によるもの。
この絵本を復刊してくださったのはトムズボックス土井さん、ぶんけいの妹尾さん。
心のこもったものづくりの過程だった。ほんとうにありがとうございます。

本書のオリジナルは学研から2007年に刊行されていたもの。
評判が良かった絵本で、大切に読んでくださっていた一冊がぼろぼろになったので欲しいと問い合わせをいただいたこともあった。
いま2024年の子どもたちにも読んでもらいたい。
子どもたちの絵心がさらににょきにょき育つかも。

というか、わたし、この絵本のページをしばしめくって、忘れていた初心を思い出した。
絵の中に入っておべんとうを食べなくては。

発売は26日のようで、来週から書店に並ぶのではと思う。

3/17/2024

17. Mars

 


twililightにて。
展覧会 "Recent Touches" は4月1日まで。
20点ほどの静物画のシリーズを飾っていただいている。
大崎清夏さんの新刊「私運転日記」もとてもいい一冊

画家の個展によく使われる Recent Worksと書く代わりにTouchesとした。
こちらの方がよりひろがりがあるのではないかと。
ただ触れた、日々に触れていたとした方が意図から自由になれる気がする。

もちろん絵に意図は必要だが、相手を画像で魅了したいという意図ではなく、あるはずがないと笑われてしまうかもしれないが、一種、響きや香りのようなものを感じて楽しんでもらえたら。

3/15/2024

15.Mars

 

4月のcaloでの個展に出す静物画。
描きかけ。とはいえ、あとは柑橘の部分を修正する程度。





3/11/2024

11. Mars



さて、twililightで展示が始まったので東京に行ってきた。
今回もまた嬉しかった思い出が走馬灯状態である。

twililight。
パソコンと本棚を静かに往復する熊谷さん。
あれもこれもすごく頑張っているレイコさん。
大崎清夏さんの「私運転日記」が出来上がった。

柴田元幸さんの帽子。
スチュアート・ダイベックの「ライツ」のポスター。(注: 最高)
ライブ中に柴田さんが語った「スロー・ホラー」について。
ニコラのいちごの料理。
手違いで宿を取れておらず、深夜の居酒屋からの、山手線3周。
海太郎さんが弾いた珠洲の民謡。
アコーディオンとグロッケン、クラリネット。
3月の雪。
旧友との再会。
大崎さんの机がtwililightにできた。
飾った絵がお店に馴染んでいた。

大崎さんの「私運転日記」の中で、彼女がある先人の詩人の墓に呼びかける場面があり、それを読みながら、わたしは驚いた。
これほどの覚悟で彼女は言葉の書いているのか。

わたしの今回の連作は、その読後感もさめやらぬうちに描いたものである。
だから、大崎さんのあのしごとへの誠実さが何かよいものとなり、おこぼれ的に拙作にも影響しているはずだ。

4月1日まで展示しているので、ぜひご覧いただけたら。

3/04/2024

個展「最近の手触り」at twililight








連作「最近の手触り」は描き終えてあり、クロネコが東京に運んでくれている。

このころ冬が戻ってきて身体がぎゅっと固くなっている。
木を描きながら、木目の線の発生ってそういうことなんだっけ、と思い出した。
絵に描いた他のものたち。それらにも一見、わからないが等しく木目のような年月の証があるはずだ。

さて、絵を飾っていただくtwililightは書店であり、出版も手がけている。
このたび、大崎清夏さんの本が刊行される。
おそれおおくも挿絵を担当させていただいた。

大崎清夏「私運転日記」

大崎さんの文章(日記)をいち早く拝読、絵をたくさん描いた。
最終的に選んだその絵は少し変わった絵で、多分、デザインの横山さんとtwililightに迷惑をかけてしまった。
でも素敵な装丁の本ができているようだ。
横山さんはすごい。手に取るのが楽しみ。

改めて展示とイベントの情報を書きます。ぜひ来てください。

nakaban expo “最近の手触り Recent Touches" 

会期:2024年3月7日(木)〜4月1日(月)
会場:twililight(世田谷区太子堂4-28-10鈴木ビル3F&屋上/三軒茶屋駅徒歩5分)
定休日:火曜、第3水曜 営業時間:12:00〜21:00


3月6日 『物語の手触り』
柴田元幸さんと久しぶりにライブをする。
朗読と絵だけの二人でのライブは2回目。
柴田さんが訳し、朗読する魅力的な短編が盛りだくさん。残席僅か。

『描く、奏でる、ハンドルを握る』
大崎清夏さんと阿部海太郎さんとのライブ。お二人もいろいろ考えてくれているようだけどまだまとまっていない。会場にはピアノもない。少しハラハラする。でもこの三人で作品を作り上げる。満員御礼。