10/10/2024

「木々のあいだの対空時間」net shop


鳥。最近メジロをよく見る。
メジロとヒヨドリのコンビで庭の木に遊びに来て果物や虫を突ついていく。
巷で言われているように「雀」が減っているのを実感するが。その代わりメジロが増えているような気がするのだが。

さて、松本の本・中川での個展「木々のあいだの対空時間」は終了したが、いくつかの作品がネットショップで販売されることになった。
遠方だった方、ご興味おありの方、ぜひご覧ください。
この三角のとか。いいのが残っています。
絵などはクリックして大きくしてご覧くださると嬉しいです。

また、現在本・中川では『かるがものクッカ』という素敵な絵本の原画展を開催中。
鳥関係の展示が続く中川さんということで。


10/07/2024

「スバらしきバス」ちくま文庫

 

平田俊子 著 「スバらしきバス」 ちくま文庫
10月11日発売。
詩人平田俊子さんの2013年に幻戯書房から刊行された名作バス・エッセイ集の増補文庫版。

とても嬉しい仕事。なぜならわたしもバス旅が大好きだから!
やっぱり都バス風味かなあ、と思いつつ向こう側にちょっと西洋風のバスも描いてみた。


10/06/2024

映画「お坊さまと鉄砲」

 






12月に公開の映画「お坊さまと鉄砲」のビジュアル画を担当させていただいた。
ブータンの パオ・チョンニ・ドルジ 監督。

制作のため、一足先に拝見。
ネタばれしそうなので、あまり書かないけど、いい映画でした。笑

この世界には旧世界と呼べるような魔法がかかったような場所がまだかろうじて残存していて、そのひとつがブータン王国。
ひとも風景もあまりにも素敵で…その良さが失われるかどうかの間際の出来事がこの映画に描かれている。とても引き込まれた。

絵はさまざまな場面をミックスして一枚のポスターを作るような気持ちで描いた。
このビジュアルは、フライヤーやチケットなどで使用され、公開が近づいたころ、本当にポスターも印刷されるとのことで、とても楽しみ。


⚫︎「お坊さまと鉄砲」




監督・脚本:パオ・チョンニ・ドルジ 『ブータン 山の教室』
製作:ステファニー・ライ 撮影:ジグメ・テンジン
出演:タンディン・ワンチュック、ケルサン・チョジェ、タンディン・ソナム
2023年/ブータン、フランス、アメリカ、台湾/ゾンカ語、英語/112分/カラー/2.39:1/5.1ch
原題:The Monk and the Gun
字幕翻訳:川喜多綾子 字幕監修:西田文信
メインビジュアル 絵:nakaban
提供:マクザム 配給:ザジフィルムズ、マクザム
© 2023 Dangphu Dingphu: A 3 Pigs Production & Journey to the East Films Ltd. All rights reserved

10/02/2024

2. Octobre


福音館書店の「母の友」 2024年11月号 
特別企画「こどもに聞かせる一日一話」

一篇のお話に絵(水彩)を描かせていただいた。
くどうれいんさんが書かれた「ひみつのとんぼ」。

以前いちどだけ挿絵を担当させていただいたことがありその時にも感じたことだが、独特の透明感がある文章。
すっと溶けて消えてしまう何か。
これの正体をわかってしまいたいが、わかってしまってはいけない何かの気配を感じる。

この「ひみつのとんぼ」も短編映画のようでとても好きなお話だ。

9/30/2024

"Tangible&Visible"


Subsequence Vol.7

気鋭の工芸・カルチャー誌"Subsequence"にて漫画"Tangible&Visible"を担当させていただいた。
相変わらずハイクオリティな雑誌で、どうやったらこんな雑誌が作れるのかと驚くばかり。
大きな紙のページをめくっていると幸せな気分になれる。

Subsequence 

9/29/2024

29. Septembre "木々のあいだの対空時間" 最終日



本日最終日。
森の国のお客さまがたと鳥の巣箱の相性は最高なのか。
会期中盛り上がってくださったとのことで感謝しかありません。
巣箱はあとわずかに残っているそう。
気になる方はぜひどうぞ。
遠方の方はお店にお問合せください。

hon-nakagawa → → → 



ふと思い出したのだが、本・中川の店内でプロテスト・ソング風の歌が流れていた。
外国語の歌で、いいなと思ったものの、店主に確認したわけではないのだが多分プロテスト・ソングだろう。なんだかすごく探してようやく入手されたCDだったとか。

わたしの呼吸の中にもプロテスト・ソングのような旋律が流れている。
押し寄せる情報の波、個人情報への侵略、主権の制限。
150年前から間違えている医学の暴走。そして藝術や「道」の陳腐化。

一言で言うとこれらは全て唯物論至上の考えが原因なのだけど、わたしの頭の中では常にこういう傾向に進んでいくことへの悔しさが気持ちが渦巻いている。悔しすぎて歯軋りで歯が減ってるから。

モノを作っていてなんだ、と自問するが、モノであるからこその唯物論否定もあると思う。
最高に楽しいものを心の動きで作り、心に作用させる。
これらに触れてくださる方がたの自由な心的空間をひろげて行きたい。何より自分がそうなりたい。
自分でもあまり深く考えたことは普段ないが、絵でも立体でも絵本でも共通しているわたしのモチベーションはこの辺なのだろう。

福岡、望雲さんの"hermit/age"そして本・中川での"木々のあいだの対空時間"
これらのタイトルにもまたそのような意味を込めてある。
鳥籠ではなくて巣箱っていうのがいいんだよね。
心的空間に風穴を開けるような感じがある。




9/28/2024

27. Septembre

 

「カトラリーとピスタチオ」先日、広島市こども図書館にて。

カトラリーのうちフォークはWolfgang Karnagelというデザイナーによる
 "1986 WMF" for Lufthansa
ちょっと使いにくいがわたくしの絵から出てきたような形。

カトラリーと有機物の粒(豆やスパイス)を配置し、それを描いてもらう授業。

9/16/2024

16. Septembre


本・中川での個展「木々のあいだの対空時間」が好評のようで、数点の巣箱を追加した。

巣箱を買った人は、自宅にそれを持ち帰っても、なぜか自分の所有物ではないような気がするのではないだろうか?

わたしがこれらの巣箱の制作の参考にとアンティークの巣箱をアメリカから取り寄せた時に、なぜかそのように思ってしまったのだ。

これは「どこ」に属しているのか。はかり知れない謎がある。

安価な材料で組み立てられていて、さりとて貴重なものではないので、歴史的な骨董を手にした畏れおおさで、わたし如きが所有者なのではない、と思うのとは違う。

またそれは鳥や森の民に属するものだから、という納得の仕方をしようにも不思議な気持ちおさまらない。

本・中川の庭の木に巣箱をかけてもらった。ちょうどこの絵のような状況があった。

ほんの数メートルの先でも、そこに流れる時間は、現実から離れた遠い存在のように見える。

わたしはそのありように羨ましさのような感情を持った。

9/09/2024

9. Septembre


少しだけ秋になったのだろうか?まだまだすごく暑いけど、息を潜めるように盛夏のあいだ、成長を停めていた果樹たちが急に伸び始めた。柑橘、りんご、いちじく、梨、桃。どの木もひょろひょろで、わたしの糖の自給計画はまだまだ先が遠い。でもいくつかの木は初心者への情けのように果を実らせてくれた。

葡萄、葡萄がきれいだった。ベリーAという品種の葡萄の熟す手前の緑から紫に変化していく色、一粒毎にその色の変化の進行具合が違うので、房という集合体を眺めるとすごい。こんなにきれいなものなのかと。来年は絵に描かなくては。桃や梨は店で売られているものの4分の3ほどのサイズで実ってくれた。味もまあまあで、素人でもそれなりに実らせることはできるのだということがわかった。

ミツバチは個体数を増やして巣箱と外界を行ったり来たりしている。鏡を用いて巣箱をのぞいてみると大きなメロンパンみたいなまだまだ初期段階の巣の形が見えた。ミツバチは巣箱に衝突したり水飲み場で溺れたりする。完璧でない動きが心をつかんでくる。

絵本に出てくるようなオークの葉っぱの形が好きで、その木が入手できるかどうかを調べたが、日本には苗が無いようで、思い切って個人輸入した。ピレネーオークという木。検疫証明書と共に届いた木はほとんど枯れているような状態だったが、丁寧めに鉢に植えて日陰で養生管理していると葉っぱが出てきた。オリンピックで世の中が盛り上がっていた時、わたしは庭でガッツポーズしていた。

ハーブ類が伸びまくっているせいか、パトロール猫やたぬきが来なくなったのでさみしい。しかし何故か家の中に入っていることはあるようだ。夜中に天井の上からドタバタと音がして、どきりとさせられる。真っ暗な二階はリフォームの手をつけていないので、古い時代のままである。風通しのためにその二階の窓を開けっぱなしにしているからいろいろな動物が遊びに来ているのか。夜中に二階への階段を見上げると真っ暗で深淵に吸い込まれそうだ。築年不詳の建物なのである。もしあの音が心霊現象だったらどうかというと、霊でも妖怪でもこのわたしがとって食う。そんな図太い神経のひとになってしまった。

安浦の町内のある古い建物の薄暗い屋内(具体的には南薫造のアトリエ)のすりガラスに外の景色が映っていた。暗い部屋だったが雨戸に穴が開いていたので映像がすりガラスに映った。これがカメラオブスキュラかと思った。しばらくしてふとそのときのことを思い出して、自分で再現してみた。すると小さな箱のすりガラスに庭の風景が上下逆に映し出された。去っていく夏の記憶のような画像*。

その様子を見て、ある話を思い出した。人間は生まれてすぐの状態では、視界が上下逆に見えているらしい。しかし、しばらくすると上下をさらに逆に、つまり正しい(?)状態に脳が見たものを変換するようになるのだという。

その変換プログラムを実行する神経的、あるいは心的回路はどんどん太くなり、もはや自分の眼が本当は世界を上下反対に見ているなんて信じられない、という状態になってしまうというのである。本当の世界って本当はどうなんだろうと思わせる話である。


*写真の画像は上下を反転させてある。




9/06/2024

nakaban expo “木々のあいだの滞空時間”

 

松本の「本・中川」での展示。

2024.9/11 (水) - 2024.9/29 (日) 営業時間: 12:00~18:00 金・土~19:00

もうすぐです。お知らせが遅くなってしまった。
最近制作している鳥の巣箱と絵画など、など、の展示。

本・中川では過去に二つ絵本の原画展を開いていただいている。

2019年 nakaban × 植田真「とおいまちのこと・みなとまちから」
2023年 「トラタのりんご」

これら3冊はどれも最高の絵本であり、原画展も嬉しかったが、ずーっと苦楽を共にしてきた中川さんのとこなので、いつかは個展をさせてもらいたいと願い続けていて、ついに叶ってしまうというわけだ。

9月11日は本・中川にいますので、ぜひどうぞ。

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9/02/2024

2. Septembre

 

My Lonesome Fall

望雲さんにいくつか絵を追加させていただいた。気が向きましたら、ぜひどうぞ。

8/22/2024

22. Août

 


望雲さんが素敵に飾ってくださるはず。写真で伝わらない味わいあり。
ぜひ見に来ていただけたら。


8/17/2024

nakaban expo "hermit/age"



福岡の望雲で、久しぶりに展覧会。

nakaban expo "hermit/age"

立体 絵画 etc.

会期:2024年8月24日(土)-9月8日(日) ※期間中水曜休
時間:13時−19時 ※24日はお話会のため17時閉店
場所:望雲507号室 
※作家在廊:24(土).25(日)

ふと思い立ち、作りはじめた鳥の巣箱などを中心に、
あれもこれもと制作して楽しく発表したいと思います -nakaban-

nakaban(なかばん)
1974年広島県生まれ。画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。
主な著作に、絵本『ダーラナのひ』(偕成社)『ランベルマイユコーヒー店』(オクノ修 詩、ミシマ社)『ぼくとたいようのふね』(BL出版)など。

【期間中イベント】-at.507号室 ※要予約
8/24(土) nakaban お話会  
 「最近はこんなことを考えながら制作しています」
 時間:18:00〜 参加費:1300円(お茶菓子付)
ご予約・お問合せ: 望雲 092-733-1135


鳥の巣箱、撮影したものを吊しっぱなしにしていたら通行人が「かわいいねい」と言ってくれて自信をふかめている。

なんだかそのままなタイトルをつけてしまったトークイベント 「最近はこんなことを考えながら制作しています」がある。
最近の状況報告や、鳥の巣箱のこと、絵本の「ひとのなみだ」のことなども話すつもり。絵の実演もしたい。時間足りるかな。ぜひお越しいただけたら。

鳥の振る舞いとhermitという言葉が響いたので個展を記念するタイトルに選んだ。
hermitageになると庵という意味になる。

8/08/2024

絵本「ひとのなみだ」原画展 : フリッツ・アートセンター

8月10日より群馬、前橋のフリッツ・アートセンターにて、絵本「ひとのなみだ」原画展。

お近くの方、ぜひおでかけください。絵を見てください。

そして内田さんの非戦のことばを感じていただけたら嬉しいです。


会 期 ‖ 2024年8月10日(土) - 9月23日(月・祝)
会 場 ‖ フリッツ・アートセンター / ギャラリー
    〒371-0036 前橋市敷島町240-28
    Tel. 027-235-8989
    mail. info@theplace1985.com 
休館日 ‖ 火曜日
時 間 ‖ 11:00-18:00
入館料 ‖ 無料

8/06/2024

6. Août Field Studies (7)

 



留守をしていた間に蜜蜂が巣箱に入居していた。
8月にやってくるなんて。
羽音が心地良くてずっと聴いていられる。
今年はあきらめていたので嬉しい。



8/01/2024

1. Août


絵本の雑誌 MOE9月号にて、ジャン=ミッシェル・フォロン(現在東京のステーションギャラリーで展示中)について少しお話しさせていただいた。
あなたの一番好きな画家はと尋ねられると、フォロンさんですかね〜って言ってしまうことが多い。
10年以上も前に言ったそんなことをMOEの編集者さんが覚えてくれていて。
モランディも好きな画家だけど、このフォロンとモランディ、二人は交流があったようで、気になるところだ。

7/28/2024

28.Juillet-2

 



これは鉄板を加工する道具。

8月24日から、ちょこちょこと制作している立体を含む展覧会を福岡の望雲さんにて開催予定。

また追ってお知らせします。


28.Juillet

 




7/18/2024

♪ "morning dew" Ray Kondo





音楽家、詩人のRay Kondo(近藤零)さん。
彼のシングル曲に絵を提供させていただいた。
この曲が発表されているFRIENDSHIP.とはキュレーターの入ったポータルのようだ。
そこからさまざまな音楽サブスクのサイトに行けるようになっている。

FRIENDSHIP. > 
Rayさんのサイトstillbeat > 

Rayさんのこの曲を含む数曲を聴きながら絵を描いた。
それらの曲はどれも優しさがあるのにエッジが効いている。
だから一言ではとても言い表せない奥深さがあって、それなのに聴きやすい。
矛盾の織りなす品と洒落た佇まい。

そんな彼の作品に関わることができたのはとても光栄なこと。
ところで、試聴は歌のところで切れているのは照れだろうか。笑 歌がいいのに。



7/10/2024

「ひとのなみだ」の絵本の原画展@フラヌール書店

 





発売されたばかりの、内田麟太郎さんの「ひとのなみだ」。
早くもフラヌール書店さまにて原画展を開催していただけることとなった。23日から。
ぜひ原画をごらんください。

この絵本の終盤で、10代くらいの若いひとたちが暗闇の中で空を見上げる場面があるのだけど、これは理屈から出てきた画ではなくて、実はわたしが10年以上も昔に夢で見た場面なのだ。

荒野で何かを宣言?訴えている?歌っている?空に向かって?
かんじんの言葉は聞こえない(か忘れてしまったか)のだけど、全体としてすごく希望のある感じで、なんだかすごくきれいなものを見てしまった、と目が覚めてもずっと覚えていた。
まさか絵本のいち場面に使うことになろうとは。
「ひとのなみだ」の詩に良く合っていると思っている。


7/03/2024

新しい傘


広島の本通り「傘のフクマ」にて、新しい傘。

early morningと題した新作。

こうしてショーウィンドウ越しに眺めていて、絵が街の風景の一部になっていることが本当に嬉しい。

今回はガラス越しの写真だけど、フクマさんが紹介のウェブページを作ってくれるとのことなので続報をまた後日。

6/19/2024

19. Juin 「ひとのなみだ」

内田麟太郎さんの「ひとのなみだ」という絵本。

いよいよ出来上がって来て、もうすぐ本屋さんに並ぶそう。
この絵本にはふたつの主題がある。
ひとつは戦争のこと、そしてもうひとつ、ひとのアイデンティティとは何かということ。
そしてもちろんそのふたつの主題は重なりあい、ひとつとも言える。

この絵本に関わったことから幾多の考えごとが浮かび上がって来たものだから、ここに気の利いたことを書きたかったけれど、だめだった。書いては消していた数日間…。
出版社の童心社の印刷物に少し書かせていただいた。

オビには、「非戦と平和の願いを込めて」と書かれている。
花や鳩、ハグするひとびとを描いても戦争は無くならない…のだよね。
内田さんがどのような文章をお書きになったか、ぜひ手にとってご覧ください。
絵も頑張りました。

「ひとのなみだ」 内田麟太郎 (著), nakaban (絵) 2024年6月24日発売予定
童心社 

6/12/2024

12. Juin





植物はひとつひとつが天と地の間で奏でられる音楽。


牧野植物園では、学びの機会が多かった。それらをすべてがつなげて考えると、今、植物を見るたび、そうとしか思えなくなった。

無事にコンサートも終わって、関係者の皆さんが、口々に牧野博士も会場に観に来てたみたい、と言っておられたのでとても恐縮した。
それと、わたしは絵を描くのに必死で気づかなかったが、鳥の群や雨風までもがコンサートに参加していたと。

牧野植物園のみなさま(特に岡林さん)、海太郎さん、このような素敵な機会をくださり、ありがとうございました。

帰りしな、高知の町の日曜朝市で土佐金時という名の芋の蔓を買って帰ったので植えてみようと思う。

6/05/2024

5. juin


高知の牧野植物園でのコンサートがもうすぐ。
海太郎氏の曲をずっとかけて、身体に流し込んでいく。

ライブの時間では、音楽家が絵を描いているみたいにみえる。
そう感じることがあってそれが面白い。
では、絵描きのわたしの立場はない?
そのおかげでかえってもっと自由になれるということか。

ああする、こうする、荷物が増えていく。
ほとんど使わない画材、持って来たのも忘れているような資料。
無駄にでかい懐中電灯、ガラスの塊、明らかに色調が重複している大量の油絵具。

用意することも大切だが、その時間、空間に立ち上がる香りのようなものをつかまえる。
言葉にできないあれを香りと表現したのは海太郎氏だ。
その時にしかそれは起こらない。忘れてはいけない。

もう鉛筆一本でいくか!(嘘です)


6/02/2024

2. juin

絵本の絵を描き終えた。
今から東京に送る。

絵の完成までの最後のひと月、完全に作者の安東みきえさんの書かれた物語の世界に潜りこんでしまっていた。
ひとつひとつの凡ての場面で、この手にふれることはできないが煌く宝石みたいな何かが放つ残光を見た。

5/25/2024

HATAORI-MACHI-FESTIVAL





山梨、富士吉田市で2016年から続いている「ハタオリマチフェスティバル」。
本年の絵を担当させていただいた。

古来富士信仰と共にある織物のまち、富士吉田市に地元の職人はもちろん、日本全国からものづくりに携わる方々が集まるフェスティバルとのこと。
下記のリンクから公式ページに飛び、森ゆにさんが歌うビデオをご覧ください。

手仕事するひとたちにリスペクトを込め、版画で制作。

詳しくはこちらにどうぞ。
https://hatafes.jp

5/18/2024

Field Studies (6)

 



気になるりんごの接木はやはり失敗が多かった。
しかしそれでも半分は生き延びているようだ。
ふじりんごの親である「国光」これが失敗したのが残念。

可憐な花は食べ忘れの春菊。花も一応食べることができるらしい。
作物を放っておくと、あっという間に巨大化し、突然ドーンと倒れる。
倒れた少し離れた場所に種がこぼれる仕組みで、不気味な現象だ。





5/06/2024

ピアノと絵のための湿った標本集/緑のデギュスタシオン

 




ライブ「ピアノと絵のための湿った標本集」のお知らせ。
高知の牧野植物園で阿部海太郎さんと。

初夏の緑を愛でるワークショップ「緑のデギュスタシオン」も。

ということで、めまいがするほど楽しみな6月8日。

ご予約など詳しい情報はこちらをご覧いただきたい。
高知県立牧野植物園
ポスターのデータ

4/29/2024

「せとうちスタイル」

 

またまた「せとうちスタイル」の表紙の画を担当させていただいた。

編集部が一年をかけてじっくり丁寧に取材した記事。
読めば「せとうち」を旅したくなる。そこで暮らしたくなる。

4/27/2024

「めいすい」



この水の絵は「Lights」という題。

浄水器で知られるMeisuiの広報誌「めいすい」の表紙の絵を担当させていただいた。

とても豪華な内容。
Meisui社の会員向けに配布される冊子であるが、全文をこちらで読むことができる。
お時間のある時にぜひ。


4/21/2024

caloのwebショップ。



大阪のcaloさんでの展示が続いている。
展示中の画たちが撮影されて、caloのwebショップに掲載された。⚫︎

光源や陰影の想像、デフォルメ、色の誇張や抑制、モチーフの立ち感。歴史、香り。おとなしいトーンの画のようでいて、さまざまな絵画ならではの面白いところをあれこれを試みた。

そういう当たり前のことを書くのは野暮だけど、いつもの空想の風景のやつよりそれらのことを意識しやすいというのはある。風景のシリーズはもう絵の中に入ってしまうから全て自動的にできてしまうというか。

ということでweb展示、遠方の方もいちどご覧いただけましたら。


4/20/2024

20.Avril

Newtown Pipin apple



先月、りんごの接木(grafting)をやってみた。
暖かくなって接いだ穂木から芽が出ていた。
台木はJM2。初めてのりんご接木なので一つだけでもうまくいくと嬉しい。
接木はむずかしい。無花果でたくさんやったけど一回も成功したことがない。

Smith'Cider apple

4/19/2024

19. Avril






絵本の画を制作していた。
内田麟太郎さんの作品で、近未来の戦争を描いた作品。

近未来。この世に生まれ落ちた時からネット漬けで、大切なことの優先順位もぼやけてしまい、命の重みなども忘れるが、それでも何かに気づいていく近未来のひとたち。
「ひとのなみだ」という題名がつけられており、6月に童心社から刊行されたらぜひ手に取っていただきたい絵本。
内田さん渾身の作品だと思う。
このような絵本が今まであったのだろうか、と思うし、このような時代になってしまったんだなあとも思う。

それで、締め切りもやってきて、東京から編集者さんが(ナント)安浦の仕事場まで絵をとりに来てくださった。
お渡し間際に色々手直しできたので、来ていただけてよかった。

今日から別の絵本の画。
この次の絵本はノスタルジックで驚くべき美しいお話で、どうしても必要な色がふたつあり絵の具を発注。
W&N社のインダンスレーンブルーとマツダのオーロラピンク。

南の国から戻って来た燕が飛び交っている。

4/16/2024

「よびみず」

 








「よびみず」

画友・山口洋佑との二人展。
神奈川県・大磯、SALOでの展覧会は18日から21日の4日間。

こちら。

美しい緑色の鳩、アオバトに選ばれた町、大磯にあるSALO。
海辺の港町に似合う、飾るとそこが港町になってしまいそうな、愛すべき作品たちができた。

Nシェフの料理、喫茶、レーベルNRTのレコード屋(貴重盤ばかり)も楽しんでいただける。
ぜひ遊びにいらしてください。





4/14/2024

14. Avril



大磯にいる。山口さんとのコラボ制作が続いていて、かなり盛り上がって来たところで最終日を迎えてしまった。
うつわの絵、アオバト、鳥小屋、SALOの看板、光る猫などなど制作。
いろんな面白い人が行き来しているSALOはクルビ・ダ・エスキーナみたい。

4/10/2024

10.Avril

一日だけ広島に帰って来た。 
進行中の絵本の絵の制作が佳境になっていて、時間ぎりぎりまで筆を入れた。
隣の住人からオクラの種とズッキーニの苗をもらった。 
さっそくズッキーニを植えて、オクラの種を蒔いた。出張から帰って来たころに芽吹いていたら嬉しい。 サボイキャベツの種も蒔いた。 
草の成長がかなりの勢い。敷地全体に棘のあるラズベリーがはびこっているので、手袋をつけてちまちま抜いている。 でも花がさんさんと咲いているので食べたいような気もしてくる。 
棘なしのラズベリーやブラックベリーと入れ替えていく予定。 
ラズベリーがグレンプロセンという品種、ブラックベリーは大関ナーセリーのスイートアークポンカ。ポンカ、音が可愛い。
そういえばcaloでのわきのミニさんからりんごの苗をもらった。実生苗である。 
多分ちゃんとしたりんごにはならないと思うが万が一もしかしてという、実生ならではの夢がある。 
明日から大磯へ。

4/09/2024

本日から。

 


一年ぶりのランテルナムジカはピアノがなかったので、自作楽器を含むオブジェを使ったパーカッション、東南アジアの土着楽器のような音色のバンジョー、ラジオ放送、果てはホーミーまで飛び出し、音楽家の才能が炸裂の回だった。わたしは室内のオブジェたちの肖像画やお庭で起こる小さなドラマを絵にした。自分が今関心を寄せている等身大の主題にこだわった。大阪のcaloさんの20周年のお祝いは、ランテルナムジカ、今日から始まる本展「Facing the one」、caloで提供される美味しいカレーのファンに贈るカレーとインド音楽の会と続いていくようだ。 ということで、本日9日、愚生も在廊させていただくので行けたら行くわで来てください。

4/05/2024

5. Avril

 

バスクのコーヒーカップ、ディゴワンのお碗、デコイ。
デコイは父の作か叔父など親戚のどなたかの手による木彫。
バスクのカップは現地で買って気に入っていたのに欠けてしまって、でも絵にしたらなかなかおもしろい。半陶半磁。
Caloに飾っていただく絵。こんな感じで20点ほど。
今厳し目にクオリティーチェック中で、少し減ってしまうかも。

4/04/2024

EXPO「よびみず」nakaban|山口洋佑 二人展





そわそわしてしまう4月。
こんな素敵な企画をプレゼントしていただいた。

神奈川県、大磯の多目的スタジオ「SALO」にて滞在制作と展覧会。
こちら>

こうして山口洋佑さんとのコラボも続いている。いつもすごく楽しい。
山口さんがSALOのメインイメージビジュアルとロゴを担当されている。
上記のリンクからご覧いただける。

さて。このSALOでの「よびみず」はまったくのゼロからつくる展覧会となる。
その制作物にはSALOの看板も含まれる。

NyaboSseboの音楽によるSALOの映像作品も収録予定。

4/13が公開制作、4/14以降が展示。
ぜひお出かけください。

この絵はNyaboSseboとSALOのオープニングライブを行った時に描いたもの。


4/02/2024

nakabanEXPO "Facing the One" Calo20周年




ひとつのモチーフを選び、モチーフ台にセットして描いた連作の静物画の展覧会。
Caloさんの情報ページはこちら。

Calo20周年記念でもありで。
7日にはこの20年を祝う「ランテルナムジカ」もある。(搬入前につき絵は仮展示)
展覧会の本格スタートは9日から。9日はわたしもCaloにおります。

わたしもまた、Caloのオープンの頃から本格的に活動を始めているのでCaloと同じ20年を歩んできたという感じがする。たくさんの本や絵を紹介していただいた。

伝説の書店"amus"にいらした石川さんが、しばしの充電期間を経て、書店を作られる、ということでロゴのデザインや看板を頼んでくれた。とても嬉しかった。それがもう20年前???

この画像は連作の最初の一枚でフランスのdigoinのカップだ。
「eの港」で電子注文し、届いてみると何に使うのかわからないくらい小さい可憐なお椀で、卵かけご飯も食べられないという。でも絵にするとなかなか迫力が出てしまった。

食器や果物やお花や、カトラリーなど周辺のモチーフをたくさん描いた。本の絵もある。
お楽しみに、ぜひどうぞ。




3/22/2024

22. Mars



「文藝春秋」4月号の目次の絵を担当させていただいた。
駅に行き交う人々の絵を絵巻風の細長い構図で描いた。

わたしは駅の構内のカフェに入って、人々を眺めるのが好きだ。
いつも不思議な気分になる。
なぜみんな行ったり来たりしているのか。わたしも含め。

さて、この号はコロナワクチン被害検証の記事が載っていて、話題になっている。
ちょっと前までは絶対NGであったこういう記事も紙媒体に載るようになり、社会のフェーズが遷り変わっていく。

こうした情報戦のようなものはメディアの誕生以来ずっと続いており、その戦時をどう生きるかだが、あえて多重人格者になって、社会から距離を置く自分を育てるのも一興ではないだろうか?
カフェから人々の往来を眺めるような感じ。
あれこれ解釈するのではなく、ただ眺めるのがいいのかもしれない。




3/19/2024

「ネズネズのおえかき」

 


絵本「ネズネズのおえかき」が新装版で復刊。(ぶんけい=文溪堂刊)

とても可愛い一冊に仕立てていただいた。デザインは佐野裕哉さんの手によるもの。
この絵本を復刊してくださったのはトムズボックス土井さん、ぶんけいの妹尾さん。
心のこもったものづくりの過程だった。ほんとうにありがとうございます。

本書のオリジナルは学研から2007年に刊行されていたもの。
評判が良かった絵本で、大切に読んでくださっていた一冊がぼろぼろになったので欲しいと問い合わせをいただいたこともあった。
いま2024年の子どもたちにも読んでもらいたい。
子どもたちの絵心がさらににょきにょき育つかも。

というか、わたし、この絵本のページをしばしめくって、忘れていた初心を思い出した。
絵の中に入っておべんとうを食べなくては。

発売は26日のようで、来週から書店に並ぶのではと思う。

3/17/2024

17. Mars

 


twililightにて。
展覧会 "Recent Touches" は4月1日まで。
20点ほどの静物画のシリーズを飾っていただいている。
大崎清夏さんの新刊「私運転日記」もとてもいい一冊

画家の個展によく使われる Recent Worksと書く代わりにTouchesとした。
こちらの方がよりひろがりがあるのではないかと。
ただ触れた、日々に触れていたとした方が意図から自由になれる気がする。

もちろん絵に意図は必要だが、相手を画像で魅了したいという意図ではなく、あるはずがないと笑われてしまうかもしれないが、一種、響きや香りのようなものを感じて楽しんでもらえたら。

3/15/2024

15.Mars

 

4月のcaloでの個展に出す静物画。
描きかけ。とはいえ、あとは柑橘の部分を修正する程度。