パン。もう一年くらい焼いているので習慣化しているような。
おいしくもないけどまずくもない。なんでもない。
ただわたしはこれは特別な食べ物だと自分で思いこんている。旅の大切な携行食のようなイメージ。
もそもそとそれを食べられれば十分で、そんなパンと何かの付け合わせが、たまに美味いものができてしまうとむしろ何だか気まずい。
パン焼きのいいところは絵が進むことである。発酵の時間、余熱の時間、焼いて冷ます時間。
その間に少しでも制作を進められたら。という気になる。
その話で言えば、この時代なのに、CDをプレーヤーで聴きながら絵を描くのもそれ。
例えばモノ・フォンタナの「クリバス」(懐かしの)。
その演奏時間の間に、停滞していた絵が印象が変わるくらいに描きすすめられたら。
この年齢なのにぬいぐるみを買った。とてもかわいらしいカラスのぬいぐるみだ。
ちゃんと視線があって、わたしが仕事しているか見張ってくれたらいい。
でも、このようにどういうふうにあがいても、わたしは生産性のひとではない。
むしろ、挿し絵の仕事が山積すると関係ない絵を描いてしまう。昔からそうだ。
頼まれていない絵を描くことで、気まぐれな創作の喜びをキープしたい。
社会にいただいた仕事の締め切りは迫るけど、こうして回り道で、面白がりの気持ちを保ちながら、結局は全てを上手に進めて行ける、という根拠のない自信がある。














