9/30/2020

Tangible&Visible on「Subsequence」Vol.3 !



「Subsequence」Vol.3 はアクアグリーンの表紙。
今回も巻末に今回も漫画を描かせていただいた。
ちょっと不思議な雰囲気の漫画なのだ。

この雑誌は大判で紙の手触りもよく、めくる楽しさがある。 ゆっくり読んだりパラパラ読んだり。
漫画のタイトル Tangible&Visible の「触れる、視る」というのはこの雑誌に捧げた言葉でもあるんだね。 
何回もめくってたまに創刊号や2号にも戻ったりしてみたり、ボロボロになったら格好いいだろう。

でも漫画のページはやぶらないでね。

9/29/2020

明日、9/30(水)19:00から

オンライントーク「生活工芸と雑誌メディア」

READAN DEATのトークイベント。
井出幸亮さん、菅野康晴さん、阿部純さんと。
興味深いお話が聴けるのでは。
リンク先からぜひ、お申し込みをどうぞ。

くらし系雑誌隆盛の頃のその当時の雰囲気を思い出している。
わたしはまだスタートしたばかりで仕事がきたら嬉しくてなんでもやっていた(はい今でも)。
その時に何を思っていたのだったか。
今から思い返してどう思うか。

9/28/2020

石巻にて







仙台のまちに降り注ぐ雨はちょっと嵐みたいだったけど、大きく育ったふかみどりの街路樹がきれいだった。
これから冬になっていくんだなあ。
できればゆっくり滞在しながらその様子を眺めていたい。
火星の庭から曲線へとはしごした。と書くと現代詩みたいだけどこの二つは本屋さんの名前だ。
ジャンアルプの詩集と小野和子「あいたくてききたくて旅にでる」と二冊の本を入手。
移動のバスの中ではコクコクと眠ってしまい、着いた石巻では雨はあがっていた。
駅前で南陀楼さんと勝さんに会って町を案内していただいた。
町の中心として栄えた古い百貨店だった建物の美しいタイルに目が釘付けになった。
日和山公園から観た外洋への憧れ。石巻のほの明るき路地裏の優しさ。
まだ新しい巨大な堤防に昇る。(宮城の友人からもらった大きな丸い石を衝動的に持って行ったので故郷の海を見せた)
帰りの飛行機から眺めた薄明のひかりもきれいだった。この旅でまた記憶の宝物がふえた。

いしのまき本の教室では、装丁家ではない立場なのに本の装丁のことを話すことになってしまい、どきどきしたが、自分はこの仕事に対してどう思っていたのかがわかった。
本のカバーの仕事の場合、大抵のケースではまず装丁デザイナーからの指示があるのであり、わたしはそれを楽しんでいるという気楽な立場なのだ。まず正直にそのことをお伝えした。それで、問題は指示などが何もない場合である。じわじわと本に絵をつけるなんて恐れおおいことこの上ないということが浮き彫りになってくる、その自信の無さゆえに出版社から「自由にやって」と言われてしまえば、わたしの場合、未来の本のページからやって来る言葉を待つというのが基本姿勢のようだ。

言葉を待つ。それをどうするかをプロセス化して教室で共有しようとした。

(0)その本、作家への思い入れを一旦断つ。

(1)本をアトランダムに開き「目に飛び込んできた言葉」を書き出す(複数回)
(2)冒頭のページから「目に飛び込んできた言葉」を書き出す(ひとつ)
(3)本の題名を書き記す
(4)そのペーパーを片手にエスキースを行う。(ワークショップでは時間がたりなかったが本当はここで(1)に戻ったりしながら数日くらいかけると良い)

でも、そういったメソッドはたぶん一回限りなのだ。
仕事によってその方法は即興的に毎回違う。
アイデアの呼び水を必死になってひくのだという考えが伝われば良いと思った。
呼び水の引きかたは畑や田んぼの立地によって異なるのであり、ちょうどそれと同じようにアイデア出しにおいても毎回違う。知的作業と実体作業はお互いを含む。

素晴らしい石巻の町に呼んでくださった「いしのまき 本の教室」の勝さん、阿部さん、こまきさんご夫妻、はじめスタッフのみなさん。
そして南陀楼綾繁さん。
本当に本当にありがとうございました。

しかし、教えるという才能はないなあ。今まで何回言ったか知らないけれどワークショップなんていう恐れ多すぎるお仕事はこれでおしまいにします。

9/24/2020

Dissonance is unknown harmony

 




バランスのとれた絵、などと得意げに描く時間を浪費していると大きな鳥が飛んできて魂をかじられる。
ひとつ、戒めとしてそういうことにしておこうじゃないか。

来月は楽しみだったkasparさんで個展。
ということでいそいそと描いている。
インタビューもされた。お楽しみいただけたら。

9/16/2020

石巻 まちの本棚

宮城の石巻にて、「石巻 まちの本棚」というイベントで、山尾三省の詩集「びろう葉帽子の下で」の原画を展示していただいている。
26日にはわたしもお邪魔することになって南陀楼綾繁さんとお久しぶりのトーク。だけじゃなくワークショップもすることに。なんと。
トークとワークショップのテーマは「ブックカバーを発想する」
勢い余ってタイトルを真面目につけてしまった。でもそんなに堅苦しい内容にはならないはずなのでお気軽にどうぞ。
自分にとっても久々の遠出、本好きな人たちとの出会い。楽しみにしてる。

このころまた本の装丁に関わる仕事をいくつかしていて、本を手にとって開く人たちの姿を思い浮かべている。

9/01/2020

「京都六曜社三代記 喫茶の一族」












「京都六曜社三代記 喫茶の一族」
京阪神エルマガジン社刊

取材・文:樺山聡 
写真:小檜山貴裕 イラスト:北林研二 
装丁:横須賀拓


発売されたばかり。
京都の喫茶店「六曜社」の三代にわたる物語が本になった。

息をつかせず読んでしまう本だった。時間旅行だ。
カウンターの向こうに、周りに、こんなすごいドラマがあったんだな。

3代目の薫平さんの章になるといよいよ自分の時代と重なってくるので、ちょっと感情移入して読んでしまう。

オクノ修さんの「ランベルマイユコーヒー店」の絵本をつくらせていただいた関係で、恐れ多くもわたしの文も引用されているのだ。ちょっとだけね。

読み終えるとドラマの現場に今すぐにも行きたくなる。
素晴らしい本だ。みなさんもぜひ、おいしいコーヒーと共に。