朗読者のことばが発せられ、次のことばを待つ。
そのわずかな真空に誰もが息をのむ。
物語はたえず生まれ変わり続けていた。
その特別な時間は、進むでもなく戻るでもなく、ただ、生まれたり死んだりしながら存在していた。
折りたたまれた誰かの人生が、開かれては、とじられていた。
音楽家の出す音は、確信犯的な忘れ物のよう。
その音楽は、わずかながらも、たしかな質量を持っているかのようだった。
ときどき壁に当たり跳ね返っては床に転がった。
別の旋律は境界の向こうに消えていった。雨上がりの町の光を映すガラスに。深く息する夜更けの壁に。私たちの心に。
私の手の先の鉛筆。その先の打った点。
微小な粒子を振りまきながら線に変わろうとする、それがやけにスローモーションに見えた。
ただひとつの線をひくだけなのに、どこかに本当に存在するたそがれ時の丘を描いているという不思議な実感。あれはいったい何なのだろう。
そのわずかな真空に誰もが息をのむ。
物語はたえず生まれ変わり続けていた。
その特別な時間は、進むでもなく戻るでもなく、ただ、生まれたり死んだりしながら存在していた。
折りたたまれた誰かの人生が、開かれては、とじられていた。
音楽家の出す音は、確信犯的な忘れ物のよう。
その音楽は、わずかながらも、たしかな質量を持っているかのようだった。
ときどき壁に当たり跳ね返っては床に転がった。
別の旋律は境界の向こうに消えていった。雨上がりの町の光を映すガラスに。深く息する夜更けの壁に。私たちの心に。
私の手の先の鉛筆。その先の打った点。
微小な粒子を振りまきながら線に変わろうとする、それがやけにスローモーションに見えた。
ただひとつの線をひくだけなのに、どこかに本当に存在するたそがれ時の丘を描いているという不思議な実感。あれはいったい何なのだろう。
ことばと音と絵のつくったもうひとつの「たそがれ」。
もやいを解かれた船のように、あの時間はさまよい、存在し続けるのだろう。
もう誰も辿りつけないような海のようなところに。
もやいを解かれた船のように、あの時間はさまよい、存在し続けるのだろう。
もう誰も辿りつけないような海のようなところに。
岡山から高知へ。
「たそがれ」の旅。
お越しくださったみなさまとつくった時間。ありがとうございました。
次回は東京で。






