12/31/2025

31. Décembre


Harlowe = hara「野ウサギ」+ hlāw「丘、塚」
Mere = 「入り江」
ハーロウメア。

だれの心の中にも、そのひとだけの地図がある。
わたしの中にもあるのだろうか。
でも、その地図を最後にテーブルの上にひろげたのはいつだろう。


12/30/2025

【MV】takeo toyama 「waiting」

 



トウヤマタケオ 「待つ」

作中の人形などのオブジェ、背景画などを担当させていただいた。
楽曲はランテルナムジカでもお馴染みの「待つ」。
監督は音楽家ご子息の映像作家、トウヤマヒビキ氏。
俳優(黒住尚生氏)の演じる実写部分とモーションで動く人形のカットが組み合わされ面白い映像になっている。
なお実写のカットは8mmカメラで撮影されている。すごい。

音楽家のアトリエで生み出された100曲から珠玉の29曲を選ばれ再構成されたアルバム "music room" は配信のみのアルバム。
>apple music などから。
最高なのです。ぜひ。


「待つ」アルバム"music room" より 
作詞・作曲:トウヤマタケオ
油絵・小道具製作:nakaban
出演:黒住尚生、トウヤマタケオ 
タイトル:nakaban
英訳:Suzu Toyama
映像:トウヤマヒビキ

12/29/2025

29. Décembre

 

荻窪の本屋Title、はや10周年。記念の本を送っていただいた。
店主・辻山さんの10年の歳月の断片のテキスト、ゆかりの方々の祝福のテキスト、多くの画家の絵画作品、おいしいカフェコーナーのアヤコさんへのインタビューなど。読みどころ見どころはたくさんあるけど辻山さんの詩が特に印象的。
編集は「ことばの生まれる景色」でもお世話になった川口恵子さん。デザインは根本匠さん。
先月川口さんからいただいたメールでnakabanさんが表紙見たらびっくりしますから〜とおっしゃっていたので密かに楽しみにしていた。

表紙は見覚えのあるような、ないようなTitle開店準備期間の当時のスケッチ。
本文にもロゴマークの制作途中のメモやスケッチが多数掲載されていて驚きだ。
お店の内装はちゃんとした本職のデザイナーの方がいらっしゃる、というのに勝手に店内の雰囲気スケッチを描いてるというのがかなり冷や汗ものである。
いや、あれはロゴマークをデザインする前の助走として必要だったのだ。多分…。
そんなスケッチも、10年経ちこの本の装画としてお役に立てたし、ドキュメントとして残していただいたということで良かったのかな。

Titleのロゴ、あっさり決めたつもりだったけどあれこれ試していたのだな。
辻山さんがこれからものすごくがんばって、このTitleは本屋さんの新しいスタンダードになるんだろうなだと感じたので、堂々とした感じのロゴにしたかった。
でも定石通りに太めの書体を描いてみたら違った。
安心感があって、愉快で楽しめる。でもそれだけでは足りない。
弱さ、微細さの領域を大切に守っているひとたちのための、灯りのような本屋さん。
「i」の丸が灯火のように大きいのはそのような意図だった。

(余談)ロゴはできてしまったが「本屋」の部分、あとから追加になって、これも手描きで、なんだかバランスとるのが難しくなって、本体と同じくらい時間をかけたかもしれない。

12/28/2025

28. Décembre

 

この絵は「車窓」というタイトルで、今、名古屋のbabooshkaの壁に展示されている。
「すべては過ぎ去って行く」とは言うけれど、まず、ものごとをいとも簡単に「すべて」と言い切り、葬ってしまうのは乱暴かもしれないし、「過ぎ去って行く」と言うのも本当であろうかと思えば自信がおぼつかなくなって来る。

「主題」が自分の知覚範囲に入っているか、というON/OFFというものの、それらのスイッチとは風景の絵の場合、都市の壁や山や建物、暗闇や霧といった遮蔽物であり、あるいは単純に距離そのものである。
空想上の空間で絵を描いているときにも全く同じことが起こるのが面白い。

遮蔽物こそが描いているものだと言い換えることもできる。
それを描くことによってその向こうを思い描く自由な空間を他者に提示できる。
その向こうに物体ではなく「人々の生活の断片」や「祝日」といった、形無きものを設定することも可能。
しかし、この絵の向こうの部分は絵を見てくれる他者のための聖域であり、絵の細部の裏設定すみずみまでに画家は踏み込まなくてもいいかなとも思う。

さて、遮蔽物には描くべき形がある。しかし遮蔽物に囲われた「主題」にはなんと!形が「ない」のである。
ここが非常に面白い。この矛盾を味わうには絵を描くことが最適であり、絵をやっていて良かったと思うポイントなのである。

目の前に(←見えないが)「それ(主題)」が現れると言うことはなんて素晴らしいことだろう!
「それ」はいつから在ったのだろう。「それ」に気づいた自分を褒めてあげたい。
と、肯定マターで日々刻々思い直すことは大切なことで、絵を描くときに忘れないようにしたいことだ。

12/23/2025

Subsequence vol.08

 


畏友、井出幸亮氏が渾身の編集で世に問う「Subsequence」誌の最新号。
コミックを描かせていただいた。
このコミックは、TANGIBLE & VISIBLEという題で、とにかく登場人物の青年がいろんなものに触る、触る。。眺める、眺める。。歩く、歩く。一話目からずーっとこれ。
雑誌の、濃密なコンテンツの終盤ページに載っており、このコミックは息抜き担当なのである。
ぼーっと眺めるようにめくっていただけたら嬉しい。
今までの号のどの表紙も工芸誌らしく、なんらかのオブジェクトの図像があしらわれていたが、今号は意味ありげな空白の表紙。
sense of somethingは予感や気配など、簡単に言語化はできないが確かに存在するフィーリングを意味する。


12/22/2025

22. Décembre


名古屋から帰ってきてひと息つくと、急に身体が固くなって発熱した。
わたしはめったに風邪をひかないので、風邪をひけて嬉しい。
風邪は身体を掃除し、再生させる。薬で耐えられる程度の苦痛をおさえるのはもったいない。
丸一日寝ていたり、こういう少し弱って、自分の身体を観察しているときに自分の身体とはやはり借りものだという気がする。
身体を動かす仕事は今年は終わったようなので、事務とか考える系の仕事をゆっくりするつもりだ。

12/20/2025

20. Décembre





ルイス・バラガンの建築物のようなカラフルな壁が楽しいbabooshka。
ポストカードのような大きさの小品から、画集に未収録の新作群、いささか大きすぎる無垢の木の立体を出品した。つまづかないように注意。

12/19/2025

19. Décembre


今日から名古屋のbabooshkaとON READINGで個展がはじまる。

程よい距離で往来できる二つの会場。ぜひおでかけいただけたら嬉しい。

本日はだいたいbabooshkaにいて、明日はON READINGにいる。

こわくないのでどうぞお声がけください。

展示詳しい情報はふたつ前の記事をご覧いただけたら。





12/16/2025

画集 In Modest Blue

 

生まれてはじめての画集ができたので呆然としている。
呆然としてピンボケで書影を撮ってしまった。

20代に絵を描き始めてたころから、画集は夢だった。
「50歳くらいに出版できたらいいなあ、画集」と思ってたらほぼその通りになってしまった。
ELVIS PRESS/ON READINGの黒田くんが一生懸命に企画、制作、デザインしてくれた。
本当にひろう神ならぬ友あり。
作れたのが今でほんとうによかった。
いまより自分が若いときに画集をつくっていたら、若描きすぎて、自分でダメ出しと後悔の嵐だっただろう。(わたしの場合。世の画家さんは素敵な画集を何歳のときでも作りたいと思ったときにどんどんつくってほしい!)

100枚以上の2025年描き下ろしの絵は、わたしが長い制作の月日を経て収集してきた、興味惹かれてきたモチーフ、主題を集大成的に散りばめたもの。

街路や窓辺、テーブルの上の水に入ったコップ、鉄道、本やお皿などのさまざまなオブジェ、それに非物質的な要素(光源、シチュエーション)に至るまで、ここになんでもあります。
わたしの画に親しんでくれているひとにはきっと満足していただけると思う。

192ページのとても分厚いハードカバー。
価格は税込で3850円。
この内容にしてはとても安価と好評だ。というか、トーキョーアートブックフェアではこの値段で大丈夫なのかと心配されていた。

19日からそのON READINGでの原画展と、バブーシュカの個展があるので遊びに来てほしい。バブーシュカの個展もこの画集の引力に引かれてしまったのか少し関連があるような絵になった。

今、そのバブーシュカに最新作の絵を送ったので、ようやく一息ついてるところ。
明日から名古屋に会期前に早入りして少し仕上げの制作もするつもり。綱渡り人生。

In Modest Blue ELVIS PRESS site

12/10/2025

10. Décembre

 ダ・ヴィンチwebでの「うちゅうじんになるみ」作者の星野智幸さんへのインタビュー。

⚫︎

この謎めいた絵本のガイドになりそう。

100年後だから、ああ、なるほど、星野さんはやっぱりすごい。そうだな、そうなったらいいなと思いながら読んだ。

絵を描くときは、描いている対象のオリーブの木になる、ハトになる、ハトが見たオリーブの木になる、などの視点の変換が必要だから、制作が行き詰まった時などはこの絵本を開いたらいいかも。初心を思い出すことができるかもしれない。

12/07/2025

Tokyo Art Book Fair へ

11日 12日 東京にいる予定。  Tokyo Art Book Fair2025  の

ELVIS PRESS / ON READINGのブースにちょこんと座っている。
制作中の絵が順調に進めば、だが。

画集『In Modest Blue』の先行発売なので立ち会いたいなと。
サインOK(←えらそう)。

12/01/2025

solo expo 「In Modest Blue」&「ハーロウ・メアから遠く離れて」


 
12月になった。
わたしは檸檬の木に袋を被せた。

19日からなんと名古屋の2ヶ所で展覧会を開いていただくことに。

ひとつは本屋さんの on reading 画集「In Modest Blue」(ELVIS PRESS)の刊行記念展。
ギャラリーには画集に収録された絵が展示販売される。
この画集については今年ずっと作業してきたし、思い入れがありすぎるのでまた書きたい。

そしてもうひとつはbabooshkaでの新作展。
「ハーロウ・メアから遠く離れて」
今めっちゃ描いてる。

これらの映えない絵の良さを自分でも研究してぐいぐい推していきたい。
制作はダウジングロッドを持って「簡素」でも「古色」でもないところを探しているような感じ。
この何年か、modestという言葉が思い浮かぶ。
これは表現の傾き加減のことで、わたし自身が奥ゆかしい〜とか謙虚な人間であるとゆうわけではないです。

研究発表のような二つの展覧会。どこかでお会いできたら嬉しいです。

ギャラリーの情報(場所 営業日時 最新など)はこちらへ >

11/26/2025

PAPIER LABO.からジグソーパズル

 



東京のPAPIER LABO.からなんと、ジグソーパズルが発売された。
はこがカワイイ。。

少なめのピースのパズルだが自分でも遊んでみたら、あれ、難しい? と楽しめた。
この絵は昨年、阿部海太郎さんと牧野植物園でコンサートをした時のポスターのために描いた"vegetation#1"。

PAPIER LABO.で販売中のほか、牧野植物園のショップでも販売される予定があるとのことで嬉しい。


11/21/2025

キセル nakaban LIVE (2026年1月17日)

 



キセルとのライブ再び。
前回のライブはキセルの二人のおかげで会場の雰囲気も最高で、美しい春の一日だった。
今回は真冬の公演。
わたしはライブペインティングetc.を投影する「幻燈」担当として演奏に参加。

来月12月の19日から名古屋のカレー屋さんbabooshkaで展示をさせていただくことになっており、その詳細は当方の遅筆でまだ間に合っておらず(ごめんなさい)、本日はその会場で行われるライブのお知らせでした。

チケットは明日11月22日から発売 問い合わせはbabooshkaのインスタグラムへ 
昼夜2回の公演予定。 → ⚫︎

10/24/2025

絵本「うちゅうじんになるみ」






ついに完成。
2023年の暮れに星野智幸さんと100年後えほんシリーズの一冊が作れるかも、と絵本編集者の筒井大介さんから連絡をいただいて、それから楽しみにしていて、送っていただいた最初のテキストを読んだとき、すごい絵本になりそう、と思いながらも、このテキストをどうやって絵本にしたらよいのかと途方に暮れた。わたしとわたしでないものの境界は、本当はないのではないか、すべてはひとつなのか。でもこの世界には多様な生物が活動していて、身振りと言語があり、文化がある。それはなぜなんだろう。そんな大きなテーマがありそうだ。でもこの絵本での星野さんの語りかたはとても無邪気で思わず笑ってしまう感じ。

やはり絵にすることがむずかしくて行き詰まっていたときに、星野さんから「ひとでなし」というその当時最新の小説を送っていただいた。知らなかった誰かの人生を早回しですべて見せられてしまったような体験をして、圧倒されてしまった。誰にでもなれて、何歳のそのひとにもなれなければ書けない作品。分厚いこの本を読み終えて、何か不思議な気持ちのまま絵本の絵のラフの仕上げに取り掛かった。
絵巻のように一気に駆けていく絵本になりそうだった。「だまされ屋さん」の絵を描いた時とはまた違う感じ。疾走感ばかりではいけないので、漫画のようなコマ割りのアクセントを入れた。絵に鉛筆の跡をのこしたり、ミスで擦れてしまった絵の具の跡をそのまま残したり、ノイズ感を出してみた。絵にも喋らせたかった。この絵本にはアリや梅、死骸、サラリーマン、猫、キノコなどの発するさまざまな言葉が交響している。絵の言葉もあるよ、ということをこっそり言いたかったのかも。だって絵本だから。

10/19/2025

19.Octobre




これは同じ絵なんだ。
カップをコレクションのように並べると面白いかな!
と盛り上がったが実際描いてみると全然面白くなかった。
ひと月悩んで塗りつぶした。

カップ一客だけ残った。さみしそう。

10/17/2025

17.Octobre



発売中の雑誌「illustration 248」の」描く人のスケッチブックという記事にひと見開き、スケッチブックが掲載されている。
スケッチ、iPadですることが増えてきてるけどやはりスケッチブックっていいなあ。
メイン特集のモノクローム特集も素敵だった。

公開中の映画「秒速5センチメートル」のパンフレットに扉イラスト掲載。
全体的に非常に凝りに凝った作りのパンフレット。デザインは大島依提亜さん。

岩崎書店から絵本「うちゅうじんになるみ」が発売。
星野智幸さんの文章による初めての絵本。
今までにないのでは?という野心的なストーリーですごい。
また改めて書かせていただきます。

9/27/2025

27.Septembre 

 




わたしの夏の終わりは、木、土、藁、火と灰、大量の石にまみれていた。
ふと気が緩んだ瞬間に大怪我とか大損害起こしそうなことがなんどもあった。気をつけなければ。
このころ蚊が必死にまとわりついてくる。生きる力がすごい。
ミツバチの巣箱を脅かすスズメバチを毎日十匹以上捕殺。
しかしこれは余計なことをしているような気もする。羽虫をついばむスズメバチもまた益虫であると聞く。
そのほかヘビとかアナグマにも会った。
アナグマは敷地内の排水溝に住んでいたのだが、嬉しくて何度も見に行ったせいで居なくなってしまった。

畑、何もやっていなかったので何か植えたい。
コルテン鋼板で囲って土ベッドを作ってみた。
ちょっとだけDonald Judd風の畑になった。

8/22/2025

22. Août

 





久々の庭。
この葡萄の色、かなり良いと思いませんか?
これは単純に緑〜紫という色彩の配分バランスが良いということではなくて、
この葡萄が生きている時間感覚が色であらわれていることが良いのだ。

8/19/2025

19. Août

今年、広島駅が大幅にリニューアルされた。
駅のビルには新しい店舗が立ち並びキラキラしているが個人的には不満がある。
列車を見ながら何か食べたいのに、そういうロケーションがひとつとしてないのだ。

唯一その感じがあるのが、高架橋で駅ビル乗り入れを開始した路面電車とシチーベーカリーとの組み合わせである。
このような素敵なお店にはキオクレして這入れない、といいつつ既に5回くらいは行ったかも。



8/17/2025

17. Août

 


パリの路地裏を歩いているといい感じの木製のサッカーのゲーム台が捨てられていた。
こんなものが捨てられているってすごいな!と思ったが、ヨーロッパで暮らしておられた小川糸さんのエッセイによると、良かったらどーぞ持っていってください、という意味なのだそうだ。

椅子やテーブルも目撃した。欲しくて、日本への送料を本気で考えたこともあった。
わたしの絵の、野外なのに椅子やはしごが置いてあるのはこういうところから来ているのだろう。
しばらく散歩して戻ってくると小さなサッカーのスタジアムはもうなかった。

現在締め切り大幅遅れのお仕事にずっとかかっている。
制作の疲れは制作で癒すといった感じ。

8/07/2025

7. Août

 




古い絵に上書きした絵がある。
あらためて眺めてみるとあまり良くない。
何が良くないのか。それは元々の絵のマチエールである。
新たな絵とは関係がない「狙いの方向」の痕跡が邪魔で、その絵への没入を阻んでいる。
マチエールを思い切って剥がして描き加えていく。



8/03/2025

3. Août


東京の神保町へ。日本出版クラブで絵本「ひとのなみだ」への日本絵本賞をいただいた。
年間2000点近くも絵本が刊行されているのだと聞いた。
賞をいただいた4冊のうちの1冊が「ひとのなみだ」。とても光栄なことだ。

でも、この受賞は内田麟太郎さんの文章の力と戦後80年というこのタイミングのおかげに違いないから、わたしは調子に乗って浮かれないようにしなければ。
全体的に作家の方々はほわーっと受賞の実感を感じていない風で、むしろ出版社、関係者の方々がにこにこで嬉しそうで、ほっこりする情景だった。とにかく良かった。
文章をお書きになった内田さんと、童心社の方々と喜びを分かち合った。

翌日、東京都写真美術館のルイジ・ギッリ展。
とても好きで、影響を受けている写真家なのは間違いない、と言いたいところだが、写真集などを開くと途端に良さがわからなくなる。
本当にわたしはギッリが好きなのか。
なので確かめに行った。やはり現物のプリントは違った。
滲み出る黄色に裏打ちされたアイスグリーンは写真集でもじゅうぶんに美しいがやっぱり本物は別物。モランディのアトリエよりも惹かれる写真がいくつかあった。

写真家の素敵な言葉があったのでメモした。
「風景を初めて、そして最後に見るかのように見るとき、人は世界中のすべての風景に属しているという感覚を得る」

7/26/2025

26. Juillet




いつもどんなことを考えながら絵を描いているのかについて(大したことは考えていない)。

この二つの絵の状態はそれぞれの良さがある。
上の画像。その場所(パサージュ)にいる感じは出ているけど、飾る絵としては違う。
サボテンの鉢がある下の画像の方が現在の状態だが、お店の黒いフレームや青い看板の効果が薄れてしまった。
こういうふうに絵は描く時間より本当は眺める時間が大切なのだ、ろう。

7/23/2025

23. Juillet

 

緊急で静止画を回しております。

この灼熱の1ヶ月、当作業場では100枚チャレンジ中。
なかなかの歯ごたえ。
ここが完成、と思うところまで仕上げて比べてみると、途中の方が良かったりする絵もあり、仕上げたものをもう一回崩すかどうか、本当にむずかしいところ。
暑さで判断力、集中力もにぶっている。















7/20/2025

21. Juillet



いきなりだけど、AI は数年後にAGIという汎用性を備えた自律的な存在に進化すると言われている。
Artificial General Intelligence。
それがドラえもんのような人類の良き友人になるのか、人類イラナイ、と滅ぼしてくるような脅威になるか。
人間の好奇心、つまり技術の進化は止められないわけで、今人類がいるのはその歴史の境目なのだ。

そのAGIとどのように付き合うか。
その「運用」というよりAGIが、むしろ人類より上位の知的存在になってしまうので「契約」みたいな感じになるらしい。
わたしたちの仕事などは、ほぼほぼ全部無くなり、今の段階で何も対策を考えていないと社会が混乱する恐れがある。

最初はホワイトカラーが仕事をうばわれるという影響を被って、すぐにブルーカラーも同様となるという。
AIは既にロボットの身体を持ち始めていて、今は人間がせっせと改良しているが、AIロボットがAIロボットを、365日不眠不休で、日に何度も自分で自分の身体をアップデートするような環境を獲得すると、もうあっという間。

そうなってくると「自分には関係ない」と言っている人も無視できないはずだ。
わたしもちょっと前までは自分には無縁の世界と思っていた。

絵の話で言うと「やっぱり原画の魅力には勝てないですから〜」と言うわたしのライバルはしっかりとパレットを持って、そのくせ絵の具で手を汚さないAGI画家になるだろう。数年以内。

選挙があったが、これから世界中の選挙でAGI との付き合い方が争点になってくるだろう。
と、そんなことをいう人もまだほとんどいないので、ここに書いておこうと思って。
原子力発電所の爆発、ワクチンの被害、わたしは数年前倒しで言って的中させて来た。この誰も読まないブログで。

AGIのそういう分野に詳しく、問題意識を持つ方が国にもひとりくらい必要だろうと考えていた。
ということで昨日は「チームみらい」の安野氏に票を投じた。
まあ無理だろうな〜と思っていたら、朝、確認したら1議席獲得していた。

ここは対立をしない政治という方法も提示しているし、AIを使いながらむしろ人間中心であり、いわゆるテクノクラート志向とは違う印象。うまく言えないが不思議と「日本」を感じる。なかなかいいなと思っている。

いつも思うのだが、ほんとうに投票率が低い。選挙の投票に行ったら一人当たり五万円程度の減税をプレゼントしたらどうか。
もしそれをするならば本人確認もぐんと厳しくなる筈だから、不正選挙を疑われることなどもおおきく減少すると思うのだけど。

7/14/2025

「新・仕事のお守り」

 



ミシマ社刊 「新・仕事のお守り」の絵を担当させていただいた。
章ごとに数点の線画があって、それぞれの絵が繋がるようにうっすらストーリー仕立てにしてみた。

全ページ良い言葉ぎっしりだから付箋が必要ない本だなと思った。

本に記された刊行日は7月24日。
装丁:寄藤文平・垣内晴

6/23/2025

傘のフクマ nakaban新作

 


Photo: Daigo Fukuma


雨の季節。
広島の「傘のフクマ」では、しゅんしゅんさんや立花文穂さん、僭越ながらわたしなど、広島の画家とのコラボレーション傘が制作されている。

まず、上の写真。
ブルーの方が日傘「青い庭」
これは「Tiny Courtyard」という題で販売されていた第一作目の模様をリミックスしたかのような色変りバージョン。日傘と書いたが雨傘としても使用できる。

もう一方は日傘「版画」
ブルガリアの弦楽器Tambouraの古楽器バージョン(マニアックすぎる)の図柄が見えるが、イチジクの葉っぱや抽象的なパターンなどさまざまな版画を一面ずつあしらっているリッチなモノクローム傘。こちらも同様に雨傘として使用できる。

そして下の写真のペールブルーの傘、こちらは「Early Morning」(下の写真)。
旅先での早朝を表現した。

この「Early Morning」の美しいページが作られているので、リンク先をぜひごらんいただけたら嬉しい。→

傘「版画」「青い庭」もitemページに掲載されている。

6/05/2025

4. Juin







今日は広島の幟町、MioBarに大きな絵を届けた。

ここはオープン以来幾度となく通っている好きなイタリアン・バール。
遠方から友人が来たら、じゃあMioBarに行こうかと考える。
でも、今ではすっかり人気店になってしまい、予約なしにはなかなか入れない。

わたしは自分は絵を描いてます、ってあんまり他人に言わない。
でもやっぱり…と、あるとき店主、宮西さんに自己紹介代わりに「ランベルマイユコーヒー店」を差し出したところ、その場で絵の制作を頼まれた。

店を改装するから現在の店の様子を描き残してくれないか。
客もスタッフもみんなこの空間が好きで、思い出がいっぱいだから、絵に描いて残して欲しい。
え、変えるの?と驚きお店をあらためて見渡した。
その内装は現地の街角のバールのようでとても居心地が良かったが、店主はもっとやりたいことを追求したいから、思い切って全改装に踏み切るのだ、とのこと。

それから2年くらい経ち、改装も出来上がって絵を届けることができた。
とても喜んでくださった。
わたしはドアを開けて、お店がかなり変わっていたのでびっくりした。ダークウッドや大理石、漆喰などがふんだんに使われ、重厚でかっこいい。
生まれ変わった店内に、このMioBarの過去の様子を描いた絵が飾られることはたしかに意味のあることだと思った。

何んでも美味しいお店で、そしてコーヒーも絶品。
宮西さんはイタリア現地のバリスタのコンテストで優勝するようなお方。
広島に来たらぜひこのMioBar行ってみて欲しい。
そしてその絵もご覧になっていただきたい。笑


5/19/2025

19. Mai

 



森まゆみさんの本「野に遺賢をさがして」のカバーの絵を担当させていただいた。
著者の森さんの旅を思い浮かべ油彩で描いた。
文化人類学的フィールドワークのような、出会った遺賢たちの聞き書きのような、旅日記のような。
こんな旅ができたらいいなあと思う。

装丁の多聞さんの丁寧な仕事。
絵の要素と文字の関係、直感なのか、考えぬかれてるのか。おそらく両方。
カバーをとると絵は同じだがクラフトペーパーの別のデザインになっていてこちらも素敵。

「野に遺賢をさがして ニッポンとことこ歩き旅」
著: 森まゆみ
装丁: 矢萩多聞
刊: 亜紀書房


5/15/2025

本日21時から。

東京の西荻窪のURESICAで現在開催中の展覧会、植田真 × nakaban の “parallel stamps” の作品群がURESICAの Web shopに掲載される。

購入もいただけるが、丁寧に撮影された作品画像が並んでいるので、ご多忙な方や遠方で来られない方、わたしたちの作品を展覧会気分でご覧いただけたら嬉しい。

URESICAのショップ

5/10/2025

10.Mai

 

本の轍さんでの展示は明日まで。
庭、風景、旅。土を連想しながら制作した画の連作を展示していただいている。

いろいろな土地で土を手に乗せてみる。石が砕けてできた砂や雲母片、枯れた植物や動物の死骸などの有機物、貝殻のような有機物と鉱物の中間のような存在、炭化した木の組織、苔類の粉末、陶片や貝殻などの存在に気づく。
旅人に土の一握りを大切に袋に入れて旅をする心情があっても不思議ではない。なぜなら土はその土地の貴重な情報を折りたたんでいるからである。その土を異国の地に撒けば、言葉にはならないかもしれないが、何かしらの意味が生じるはずである。
その土は、この世界の真の多数派である大量の微生物の棲家である。無数の微生物が呼吸をしてついには風を起こし、木々を揺らしているのがこの世なのかもしれない。
また絵具というものも広義にとらえると土のようなものである。
それを塗るという行為はとてもプリミティブで、スピリチュアルな、ある意味時間を超えていることだ。
表現も大切だが、その前にそのような裏打ちがなければならないと考えている。


nakaban個展『Soil from other land.』
会 期:2025年4月24日(木)〜5月11 日(日)
13:00〜19:00(CLOSED 4/30 , 5/7)
会 場: 本の轍(松山市 春日町13-9 春日ビル2F)

5/08/2025

8. Mai

 



大きい画を受注でパネルをつくる。
クランプはいくつ買ってもなぜか足らなくなる。
四方に支え枠をつけて、中心にも支えを一本つけ、できあがり。
支え枠の材が少しでも反っていたらNGで、真っ直ぐに乾燥されたものを使用しなければならない。






ホームセンターに行った時に思い立ち、葡萄棚を作った。
ビニールハウスのフレームの19ミリ径最小ユニットでキューブを作り、スクリューメッシュの柵2枚を天面に乗せるとサイズがぴったりだった。両者の固定には銅のワイヤーを使用した。
今かかえている仕事群がひと段落したらキウイ棚も作りたい。

5/01/2025

1. Mai (展示本日から)


久しぶりのURESICAでの展示、楽しく設営させていただいた。
シャビーな木の作業テーブルに描いてきた絵を並べ、植田さんとそれらを入れ替え差し替え、いつもとはまた違う趣の額に納める。
緊張感のある作業の連続で、終わった後のおさけの美味しかったことといったら。

ちなみに今日はURESICAの開店記念日でもあるので!祝いましょう。

4/29/2025

29. Avril

明後日5月1日から、東京西荻窪のURESICAで植田真さんとの二人展がはじまる。

明日は前日で搬入日なのだけど、URESICAで植田さんとお互いに見ていない作品を広げ、
即興的に組み合わせと題名の言葉を作っていく。それがいちばん楽しみなのだ。
多くが 2 in 1でひとつの作品となる。
タイトルは"parallel stamps" とした。
切手サイズに凝縮された画を対位法的に併置して、驚きの組み合わせを。

1日は植田さんと在廊させていただきます。ライブもあります。

4/27/2025

27. Avril

 



本日も本の轍へ。

移転オープンされたばかり。とても賑わっている。お店のロゴマークは福田さん。
外壁の看板にはVan Morrisonの No Guru, No Method, No Teacher.という言葉。

4/26/2025

26. Avril

松山。早起きして船に乗ってやって来た。

観光港からてくてく歩いて伊予鉄に乗る。

素晴らしい電車からの眺め、ミカンばたけ、カラスノエンドウやケシの花。

潮風にさらされた板を纏った家屋。いいところ。

光の質感の違いがより「南」を感じさせる。


というわけで、今日から二日間「本の轍」に居ます。ぜひどうぞ。


4/22/2025

22. Avril

 





松山の本の轍に送った絵の一部。
荷は無事に瀬戸内海を渡ったようだ。

タブロー制作はしばらく時が開いたので(別のお仕事をしていた)
ちょっと制作気分も変わったのか、絵の雰囲気まで変わったような気がする。

絵の話以外のことだが、額の木の部分、今回自分で製材した。
板を薄く加工するのはとっても大変なのだが、このたび設備が整った。
わっぱの弁当箱とかギターとか、薄くした板をさらに曲げてあってすごい技術だと思う。

4/19/2025

nakaban EXPO『Soil from other land.』



nakaban個展『Soil from other land.』

会 期:2025年4月24日(木)〜5月11 日(日)
13:00〜19:00(CLOSED 4/30 , 5/7)
会 場: 本の轍(松山市 春日町13-9 春日ビル2F)

或る土地に別の場所からの土を混ぜ込むことを客土という。
これは最近のわたしの好きな言葉で、絵を描く時もよくこの言葉を思い浮かべている。
発想や絵の具を混ぜ混ぜしながら完成を目指す絵画と、庭や畑での終わりのなさそうな土づくり。
これらはとてもよく似ている。
条件が整えば、時を置けば置くほどその土は呼吸を続け良くなっていくように、しばらく飾っていただくことで、
じわじわ良くなっていく絵。それがわたしの制作目標だ。
そのようなわけで、誰かの暮らしへの客土のように絵を提案できたらと思っている。
words by nakaban

新店舗のこけら落としは、画家・書籍の装画や絵本作家として活躍されているnakabanさんの個展です。
呉の海沿いにある小さな町のアトリエで、絵を描くのと同じように勤しむ花や果実を育てる庭づくり──。
近年のテーマとして取り組む「土」や「円環」といった言葉は当店名の轍にも通じるところがあり、
そんな「客土の旅」が感じられる絵が並びます。
昨年の夏に訪れたnakabanさんの庭にはたくさんの無花果に柿の木、小麦に大きなアーティチョークの花まで咲いていて、
それはもう素晴らしい風景でした。

4/26〜27は作家在廊予定あり。
4/27 には、nakabanさんがご愛飲されている呉市の伝説の焙煎店「深やき珈琲そにろき」の出店も予定しています。

四国では初となる展示です。
”じわじわ良くなっていく絵“を、ぜひあなたの日常に迎えていただけると嬉しいです。

link > 本の轍

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いつも直前になってしまいまして、ごめんなさい。
わたしにとってはじめての場所「本の轍」での個展。愛媛県松山市。
仕事場のある呉の友人「深やき珈琲そにろき」さんからのご縁で展示の機会をいただいた。

昨年のブラックバードブックスでの展示に続いて、自然、庭をテーマに描いている。
今回は特に客土という言葉を思いながら描いている。
でも絵の具も土みたいなものだから、何を描いても(結局)よし。
ステートメントにも書いたけれど、飾って飽きない絵を問いながらひとつひとつ描いていきたい。

4/17/2025

「めいすい」





浄水器で知られるMeisui社の広報誌「めいすい」の表紙の絵。

記事のほとんどはこちらの公式サイトで読むことができる。