2018年12月2日日曜日

12月。もうすぐ。



*テスト刷りを巻いた見本。

本屋Titleの辻山さんとの共著「ことばの生まれる景色」が12月の中頃発売予定。
Titleでは先行発売。

デザインは鈴木千佳子さん。編集はナナロク社の川口恵子さん。
ことば、絵、デザイン、校閲、印刷。
自分が遠くから聞いているだけでも気が遠くなるような職人たちの本づくりへの気合い十分に込められているこの一冊。
たくさんの人に届いてほしい。届けていきたい。
また近く続報を。

2018年11月18日日曜日

装画「針と糸」



小川糸さんの新刊「針と糸」(毎日新聞出版)の絵を描かせていただいた。
装丁は芥陽子さん。

本文にも多くのカットがあるのだけど、ベルリンに行った時のことを思い出しながら描いた。
行っておいてよかった。
小川さんは飛行機の機内誌の取材の仕事がきっかけでドイツに移住されたそうだ。
もしかしてあの雑誌かな?

2018年11月15日木曜日

15.Nov

水彩画の連作を描きたいので、紙を知ろうとしまいこんでいたいろんなブロックパーパーをめくる。すると二年前の下書きが出てきた。
あまり面白くなさそうな下書きだったので投げ出したらしい(コラッ)。
けどそこは頑張りでなんとかならんかと塗っていく。

言いわけ、策略、ごまかし、遊んでいるふり。
絵を描くときはそんなことで頭がいっぱいだ。
「自由な発想ができて羨ましいですね」
なんて言ってくれる人もいるけれど、そこは全部計算してるからむしろ自由ではないほうなのではないのか。

でも絵の具のにじみは計算できない。
ただ、プロの水彩画家さんはある程度画面に起こる現象を計算しながら描いているらしい(いろんな先生がたのブログを読んだ。)

水彩画で、絵の具を混ぜる水の量を失敗したときに現れるいびつなにじみは「カリフラワー」と言うのだそうだ。
確かに似ている。
予期せぬカリフラワーが絵ににょきにょきと生えてくると思うと楽しくなってくる。


2018年11月7日水曜日

装画「ご飯の炊き方を変えると人生が変わる」


表紙画を描かせていただいた。(カバーをとっても可愛い)
よそったご飯の、その繊細なトーンの日陰部分に青と黄色をごくわずかに差しながら描いていった。描いているときは凛とした時間だった。

本書には新井薬師の和食店「柾」店主による柾式炊飯法というあまり知られていないご飯の炊き方のことが書かれている。
「おいしいとはどういうことか」という題名の最終章があって、読んでいるとすっきりいい気分になった。
いい本に関わることができて嬉しい。

2018年11月2日金曜日

「風の声」

サウダージ・ブックスのwebマガジン「風の声」
https://www.saudadebooks.com/blog/kazenokoe_201811_mokuji

サウダージ・ブックス復活。
数年前、黒島伝治の本を作っていた頃の淺野さんは「僕は文章をかくことはないです」ってやや決意も強めに語っていたので、その言葉とは反対にいつか文章を書く人だろうなと思っていた。
それも旅と詩の話を。
淺野さんの文章はOur Poetryで読める。
コップの絵はどいちなつさんの詩を読み、新しく描かせていただいた。

2018年10月25日木曜日

「右手にミミズク」

「右手にミミズク」フレーベル館 文学の森蓼内明子さん作の「右手にミミズク」カバーの絵と本文挿絵を担当させていただいた。

挿絵を書くまえに、もちろん本になる前の原稿を読ませてもらうのだけど、封筒で届いて開けてすぐにお話に引き込まれてしまい、他のことを忘れてそのまま一気に読んでしまった。
児童書・読み物というカテゴリーの本であるけれど読書の年代を問わない小説だと思う。

ブックデザインはジュン・キドコロ・デザイン。
カバーをとると表紙にたくさんミミズクがいるのだ。
著者の蓼内明子さんの、これが最初の刊行作品とのことで、とても責任重大で緊張する仕事だった。
でもたくさんあった挿絵も全て描きあげた。ミミズクのおかげだ。

2018年10月21日日曜日

「Make the Fire」

山尾三省「火を焚きなさい」(野草社)

山尾三省(Yamao Sansei 1938-2001)は東京生まれ、屋久島で生涯を終えた詩人。
表面的には定着したとも言える戦後日本で始まった自然回帰ムーヴメント(1960~ 脱大量消費社会、エコロジー、暮らし、オーガニック、地方移住、etc. )のラディカルな火付け役のひとりでもある歴史的にも重要な運動家。
しかしそののち、インドやネパールの放浪の旅をし、多くの詩人と出会い、また東京から屋久島への移住を経て彼の社会運動は変化し、ついには個人の静かな内観を大切にし、哲学的な洞察に富んだうつくしい詩を書く詩人となった。
多くの詩が遺され、今では世界中の詩人からリスペクトされている。



最近の屋久島でもまた、三省さんが〜、と親しく呼ばれているのを聞いた。(屋久島には山尾三省を記念するオリオン三星賞という子どもたちの詩の賞まである。この子どもたちの詩が「星座」という詩集に纏められ、これがまたおそろしく良いのだ。)
その山尾三省の新装詩集を編んでいるので…と編集者の淺野さんから絵のご依頼をいただいた。そしてなぜか、本書の完成にはぜひ漫画が必要、と言われてしまい。僕の受けたプレッシャーをおわかりいただけるだろうか。
果たしてお役に立てたのだろうか。
悩みに悩んで締め切りの迫るなか、漫画「Make the Fire」「屋久島植物さんぽ」を描かせていただいた。カバーの焔は最後の最後に。
デザインは文京図案室の三木俊一さん。
表題作の詩「火を焚きなさい」。本当に素晴らしい。
本物の焚き火をみつめているような詩の体験。
最後におさめられた早川ユミさんの解説も良かったし、もちろん本編のうつくしい詩の数々を偶然に開いて読むのも楽しい。「キャベツ」や「食パン」や「草の生えている道」の詩なんてのがある。本を閉じてふと思ったのだけど、山羊の乳とインスタントコーヒーで作った三省式カフェ・オーレをいつか飲んでみたい。できれば屋久島かフランスの田舎町で。