地震の日以来ずいぶんと情報に振り回されたものだ、と思ったが、結局それは自分で自分を振り回していたという事になるのだろう、とふと気づいた。
インターネットのリンクを辿るとき、怯える心、怖いもの観たさが手伝い、それが何か得体の知れない情報への渇望となってあらわれる。あまり良く無い傾向だ。やめよう。
今、必死になって情報を集める事は、生きるための本能だったり、社会とのつながりを保とうという性質もあっての事なのかもしれない。
でもそれってどうなの?自分に訊く。そんな情報でお手玉して。
実際自分よりはるかに大変な目に会っている人がたくさんいるのだ。それは厳然たる事実なのだ。激しい罪悪感に襲われる。
情報集めも程々に、結局は自分は絵なんかを描くくらいしか能が無いだろう。自分が地味に楽しむ心が周りに小さな波紋になって伝わっていけばいい。ただ自分は絵を描く事が崇高な使命だ、なんて思っていない。昨今、今こそ自分の創作物で世の中を元気づける、と気合い十分の作家も多いようだが、僕は自分のつくるモノにそこまでの過信は置いていないつもりだ。自分で自分をヒーローに仕立てるほど寒い行動はないのだから…。
2011年3月31日木曜日
3/31
2011年3月30日水曜日
3/30
利己主義と物質主義が行き着く所の極大まで行って、たった一つのショックで今ばらばらと崩壊している。
でも最後の抵抗はとても激しい。
それはそうだ。今迄信じていた神様は実はいなかったのだから。
だから熱病にでもかかってしまった様に社会でも個人でも葛藤がある。
ふと、今こんな変化のまっただ中にいるんだなあと思う。これはすごい事だよ…。
まずはしっかり自分の心の葛藤を見ていたい。
2011年3月29日火曜日
2011年3月28日月曜日
2011年3月26日土曜日
Les Pinceaux
五島の丸石
3/26
神保町ミロンガで打ち合わせ。
話しつつ、久しぶりにタンゴを聴いた。
ミロンガに在るバンドネオンはAAのナカラード(螺鈿文様仕立て)。
透明な展示ケースの中に入れられジャバラが広げられている。
たまには楽器に風をいれなければいけない。
子どもができてからめっきり弾く時間も少なくなってしまった私のバンドネオンの事を思う。
楽器に悪いなと謝りたい。ただ、災害でここから避難するとしてもこれだけは置いて行かないと決めている。
過去の所有者への礼儀。
2011年3月25日金曜日
3/24
昨日は久しぶりにアクリルグアッシュ絵具を使った。この絵具をつかうと受験時代のつらさをいまだに思い出す。よっぽどイヤだったんだろうな。
今有名美大を目指している人にアドバイスするなら、美大なんか行かなくていい。と言いたい。その金で海外を見てまわった方がいい。或は部屋を借りて友だちとアトリエをシェアして看板を掲げればいい。大学を出た後の仕事には学歴など関係ない。
*それでも美大に行きたい人は経験をもつ教授を捕まえて議論し論破するくらい悩み学ばなければ元はとれないゾ。
2011年3月23日水曜日
3/23
作業が長引き、ほぼ眠らず地震の揺れで目を覚まし、でかける。
銀座で企画展打ち合わせ。
思ったよりあっさり終了して、ラッキーにもGGG立花文穂展を鑑賞することができた。やっぱり素敵でした。広島のチャイ屋さんのチラシがなつかしい。
お茶ノ水に移動。時計の電池を入れ、カレーを食べ、画材購入(パステル3本と溶き油)。その後打ち合わせ。すすみ具合いい展開。
帰ってニュースを開いたら東京が水パニックになってた。16日のこの日記でも書いてあるけど、いちいちペットボトル水を買うのは無理で、水道局にはひとつがんばってもらって貯水場に超強力な浄水機をつけてほしい。
2011年3月22日火曜日
2011年3月21日月曜日
3/21
最近なぜか眠い。
あの日以来時間が止まっているような感じもある。
世の中の過度の緊張に接し、無意識のうちに自己防衛本能が働いているのだと思う。
で、一寸眠ると確かに心の緊張も和らいでいる。
心の中も一つの世界だから大事にしたい。心の器である身体の言う事も聞いた方がいいと思う。
さて、昨日の千駄木旧安田邸でのランテルナムジカも楽しいライブだった。
お客さんがあたたかかった。ありがとう。
用意していたスクリーン代わりの白い立て壁が、余震の影響で貴重な建物を傷つけかねないとの事で、急遽壁に投影した。すると洋間の壁紙の模様と映像が相まっていい感じ。
(ちなみに旧安田邸が燃えたら怒られるのでボク、ロウソクの灯りも自粛した。)
(実際、ライブ中地震が来て揺れた。)
トウヤマさんが弾くピアノはオールドYAMAHAのアップライト。ロゴデザインが手書き。
(あ、思い出した。web上ではよくトオヤマさんと間違えて書かれていますが正しくはトウヤマさんです。でも大阪では金さんと呼ばれているような…)
終演後、阿部海太郎さんにお茶漬けセットをもらった。
4月の連弾コンサートも楽しみだ。
そのあと明日(つまり今日)もイベントがあるのに、ナンダロウさんが打ち上げを軽く開いてくれた。うれしかった。打ち上げメンバーがみんな面白そうな人で一人一人とゆっくり話したかった。
さらに友人達と4人で渋谷でコーヒーを飲もうとするも、カフェが閉まっていて断念した。しかし暗い渋谷を観ることができた。人ごみがまっくろなシルエット。ヨーロッパの都市の夜なんかを思い出す。
私の会った人は今の感じの明るさの東京でいいじゃない、という人が大多数だ。
2011年3月20日日曜日
今宵はLANTERNAMUZICA
今宵はLANTERNAMUZICA@旧安田邸。楽しい時間にしたいです。
今回の震災でキャンセルも若干出たのでまだお席があるかもしれません。
お問い合わせ こちらに当日の連絡先あり
2011年3月19日土曜日
2011年3月18日金曜日
3/17
今日、少しだけ外を歩いたが、ガソリンスタンド休業、郵便局停止、ATMも停止。
コンビニは真っ暗で非常ブザーが鳴り響いていた。
アイスクリームのボックスは停電のせいかダンボールで塞がれていた。
(商品はあるので報道に惑わされない様に)
停電があるので信号機も消えてる。
都市文明って弱い。右脳と左脳が統合されて融通のきく都市文明になればいい。
今日も夕方にみたことのない感じの雲が出ていた。
そろそろ震度3程度の地震なら気にならなくなって来た。
慣れとはなんとやらだ。
2011年3月17日木曜日
3/16
ある雑誌の付録の表紙絵を描く。
きょう横浜は風が強くいままでみたこともない空だった。
ネットでヴィデオ配信された天皇陛下のおことばを聞き、きれいな日本語はいいなと思った。
さて放射性物質に首都圏の水源も汚染されてしまった。
除去するすべはあるのだろうか。
一生外国のミネラル水を買えってか?
金ね〜よ。
2011年3月15日火曜日
2011年3月14日月曜日
3/14
平日になったので投げておいたいろいろな返事がメールでいろいろ来る。
みんな心配そうだ。
届いたひとつの某誌のレイアウトゲラが私上最高に嬉しかった。
あの人が執筆…というかこれはコラボですか?
ぐぐっ、言いたいけどまだ我慢じゃ。
今日、このエリアは停電になるので、おばさんがやって来て、
あなたが当番になって団地の水道のコックを締めなければいけないです。と言われた。
けれど停電の時間がずれ、今、結局それを言いにきたおばさんがやってくれた。
前より助け合い度が増している感じがある。
さて17時。今から停電。
逆の発想で、平穏な時間が過ごせるかも知れないな。
悲しいニュースから断たれて制作する…。
2011年3月13日日曜日
3/13~14
昨日は福島原発の事が心配で仕事に手が着かなかった。
今日は手を動かしている。
手を動かせばおちつくが不安も拭えず、ついツイッターでつぶやいてしまったり。
明朝から停電になるようだけど、最初はちょっと大変そうだ。
ま、ずっと大変か。だから、ほらやっぱり原発が必要でしょと世論が形成される様な気がする。
こんなに酷い事故が起こっていてもだ。どうなんでしょ。
不便だからやっぱり原発が要る、という話になるか、不便でも案外いける、みんなで工夫すれば大丈夫だ、となるか。
原発の作った電気にもっとも甘えていた東京っ子が試されていると思う。
ただ、この電気、医療関係に優先する仕組みができないのか。
電気をいきなりとめて大丈夫なのか。
今日先ほど知らされて、明日からいきなり停電というのは原口大臣も言っていたが確かに酷すぎる。
でも、もう待った無しのようだ。
いずれにしても明朝から生活習慣が変わるんだなあ。
停電時間のチェック、交通機関のチェック、しなければ。
でもそれは今や慣れ親しんだインターネットではできなくなる?混乱する。
状況しだいでは停電がもっと長い時間になり、恒久的となる恐れもある。そんなときにパニクらないように、冷蔵庫の無い食生活、とか、手で洗濯とか(でも水道のくみ上げは電気ポンプか…)あと灯り。
自分の仕事で言えばコンピューターを介さない受注、会議、入稿、それにもちろん制作作業とか…。
書いてる時点でかなりムリっぽい…。
でもそろそろ頭の片隅に置いて備えなければいけないのかもしれない。
大変な転換ではあるが被災地の方の苦労に比べれば屁でもない。
原発の話に戻せば、やっぱり実際に事故がおこるとこんなに怖いのかという実感がある。
現場で特攻隊の様に死を覚悟して作業する人がいるとか(その人のせいじゃないのに)、なにも知らずに被害を受ける人がいるとか(その人のせいじゃないのに)そういう事全て含めて怖い。
こんなことになるならずっと停電の方がましだ。
(おいおいという人もおおいでしょうがもう言わして下さい。)
もう次の選挙では原子力発電所をなくす、海外に技術を輸出もしないという部分の是非に争点が移ればいい。
僕はどっちに票を投じたいかは言うまでもない。
今より劇的に不便になっても全然いいし、生きていけさえすれば十分だ。
大きな声では言えなかったが、もういちど不便にならなければ新しいアイデアも生まれない、この世界全体、なんでも企業に用意してもらって、子飼い人間ばかりになってしまうと思っていた。
でも決定的にこの3日で変わってしまったと思う。悲しい事が起こっているけどこれからは不便な環境からたくさんのアイデア、道具、アートを作り出せる人がたくさん現れるんじゃないかと思う。それが根を張って行くし、行かざるをえない。思うに今までも水面下でそのための素地がつくられてたんだという感じもある。
だから希望を感じずにはいられない。
やっぱり机に向かう
妻子どもを避難させてひとり。
怖いのでネットを観すぎ、自分が味のなくなったガムになったような気分。でも何故だろうか、少しづつこの負け感を挽回したい気持ちが持ち上がって来た。
事態は深刻だけど、多くの方がツイッタ−でこんな時こそ笑いが必要って言ってた。
切実にその通りと思う。やっぱり仕事に戻るしかない。祈りつつね。
みんな頑張れ!
2011年3月12日土曜日
biggest earthquake
2011年3月10日木曜日
affiches
祝。
この1月につくったポスター、きりん果サイトにアップされました。
シルクスクリーン、活版印刷など。
すべてエディションナンバー入り。
ご購入の際はサイズなどにご注意ください。
http://www.kirinca.info
これは活版ポスタ−の版。
右側は楽譜の表紙。
きりん果では楽譜も取り扱っております。まだ例の一曲だけだけど。
2011年3月9日水曜日
版画
ランテルナムジカ 東京 旧安田邸
3/10追記
満席となりました
当日券なしとの事。
3月20日。きっと楽しいライブになると思います。
お待ちしてます!
渋谷毅さん、mio fouさんのライブも楽しみです。
◆
不忍ブックストリート week 2011 参加企画
旧安田邸の音楽会
大正8年(1919)に建てられた近代和風住宅の応接間に座って音楽を愉しむ三夜。サンルームからの庭の眺めが素晴らしいです。
★第一夜 ランテルナムジカ
トウヤマタケオ (ピアノ)+nakaban (幻燈)
3月20日(日)17時開演(16時半開場)
- トウヤマタケオ http://www.takeotoyama.info/
- nakaban http://www.nakaban.com/
★第二夜 渋谷毅
渋谷毅(ピアノ) ゲスト 小川美潮(歌)
3月21日(月・祝)17時開演(16時半開場)
★第三夜 Mio Fou
美尾洋乃(歌、ヴァイオリン、ピアノ)+鈴木博文(歌、ギター)
5月8日(日)17時開演(16時半開場)
- 美尾洋乃 http://members3.jcom.home.ne.jp/mio-hirono/
- メトロトロン・レコード http://metrotron-records.com/
【場所】旧安田楠雄邸 文京区千駄木5-20(千代田線千駄木駅下車徒歩5分、本郷保健サービスセンター隣)地図
※50人で満席となります。椅子でなく、床にお座りいただく場合もあります。会場では靴下着用をお願いします。
※当日の連絡は 090-9347-8767(河上)まで
【料金】予約2000円/当日2500円
【予約先】 ※件名「旧安田邸イベント」。日にち、お名前、人数、電話番号を明記してください
yoyaku@yanesen.org 不忍ブックストリート
旧安田邸 http://www.toshima.ne.jp/~tatemono/
不忍ブックストリート http://sbs.yanesen.org/
2011年3月8日火曜日
coffee rumba cantata
モーニング!待ちに待ったコーヒードリッパーが届いた。
コーヒーの抽出法だけど、ウチはメリタ式>コーノ式と変遷し、最近はナカバヤシ式です。
理由はもちろんうまいから。
その中林式のコーヒーに関われるなんて光栄ですね。
私も中林なので同じ名前というのもダブルで光栄です。
というわけでフレデリカ/ラジカフェ川村さん、torchの中林さんと
焼きごてのデザインを半年くらいかけて3人でゆっくりつくって来ました。
下のものがそれ。左側は使ってるわが家の初代、右側が新商品。
売ってる所 フレデリカ/ラジカフェのショップ部門のロージーさん
製造元 torch 中林氏 (ドリッパーについての説明あり。)
ポットは瀬戸の輸出白磁、カップは久世朋子さんに頂いたものです。いいでしょ。
2011年3月7日月曜日
3/7
神保町打ち合わせ後、都営線で新宿に行き、あの画材屋S堂で物資補給。
新宿のS堂はあんな最低な内装なのにやっぱりテンションあがる。それはなぜか。
思うに絵の具、パステル、色鉛筆など顔料系の画材がアクリルケースにずらーっと並ぶ様子はそれだけで世界で最も美しい景色となるからである。色が並んでいる(それも秩序だって)というのはそれだけですごい。可能性がならんでいる。ここまではお膳立てしたぜ、あとは任せたぜ、と言われて、言われた方もやってくれるな、と思わずつぶやいてしまう感じだ。ま、要するにクレパスの箱を初めて開けた時から変わらぬときめきが今もあるのだ。
さて今日はリノリウムを買うために来たのだが、結局LYRAの色鉛筆(新型含む)、みつびしダーマトグラフ、フィクサチーフ、版画絵の具、目玉クリップを購入。
高かったのは版画印刷の時に敷いてみようと思ってみたフェルト1200円(グッ…布切れに1200円だと?手芸店で買えよって自分でつっこみいれたくなった)。
あと呉竹のドーサびきの和紙、これが4290円(ググッ…)
さんざん未来とやらに投資し帰って来たらオオカミドーナッツドリッパーが届いていた。
これはいい出来で、嬉しいので後日記事にします。
2011年3月3日木曜日
3/3
また夢をみた。
今日はなぜか芝居の台本を読んでいた。
専門用語の『入り』『去り』が頭に残り、それがとても重要な様に思え、ノートに書き留めた。(夢の中で。このような言葉が実際にあるかどうかは知らない)
この世界にはいろんな価値観の場所が存在する。そこに『入り』、演じて『去って』いく。
『去り』の部分は特に投げやりにできない。たとえそのシーンが芝居の中で、観客の前で存在していなくても、そのシーンは『入った』人にとっては存在するべきで、きちんと綴じて出て行く事。それが重要だと思った (夢の中で)。それこそが『入り』と『去り』のあいだに立っている事(=想像力という事かな?)の必須条件だと思う。
絵とかすべての芸術表現に当てはまる事だと思う。
絵にもこの世の価値観と同じだけの画題があるわけで。
2011年3月2日水曜日
3/2
合わせ鏡の無限の反射の奥はどうなっているのか。
実際には斜めからみているので有限の映像しか見られない。
しかし、夢の中では自分が透明になり、正面に立てる。
今朝、念願の合わせ鏡の反射の奥地に潜入した夢をみた。
ある古ビルのドアが鏡の廊下の入り口だった。
自分は廃墟探索の様な事をしており、すすけた建物の中に場違いな虹色なドアーを発見。
ドアを開けると長々と続く反射映像。
むこうはボンヤリ光っている。
その奥にスーと飛んで行く。
なんで飛べるのかは夢なのでさておき。
最初はドアの輪郭の反射のような映像があったけど、
奥はだんだん抽象的にボヤケて来て、虹色の丸いものがあった。
「ははあ、これはランテルナムジカで使う虹色の円盤が夢にあらわれたのだな」と思った。
虹色の円盤は通り抜けできる。
その向こうはまた長々と続く反射映像。
またボヤける。また虹色の丸いもの。
2度の丸くて虹色の壁を通り抜けて、つまらない団地住宅(たぶんオランダ、アムステルダム郊外)の横、地上20mくらいの場所にフワーッと出た。
いきなり具体的な景色が出たのがおもしろい。
だがそこでホワイトアウト。終わり。
その先が観たかったな。